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1月3日(土)

美姫 「美姫ちゃんの〜」

ハートフルデイズ〜

美姫 「はっじまるよ〜」

<この番組は、PAINWESTの雑記コーナーより、新年だな、とお送り中!>



明けましておめでとうございます。

美姫 「今年も宜しくお願いします」

とは言え、まさか三日にやるなんて……。

美姫 「来週と言ったんだから、ちゃんと約束は守らないとね♪」

いや、お前が一方的に言ったんだよな?

美姫 「なによ、昨日にしなかった分だけありがたいと思いなさいよ」

単に昨日はお前が酒を飲みたかっただけ――ぶべらっ!

美姫 「さあ、今年も元気にいってみよう!」

――この番組は、より良い暮らしを提供する紅コーポレーションの提供でお送りします。――

って、こらこら勝手に提供とか作らない。
ともあれ、美姫の言うように今年も元気にいくぞー!

美姫 「その意気よ! という訳で、早速だけれどCMいってみよ〜」







それは一本の電話から始まった。
進学や進級などが無事に決まり、春休みも半ばを過ぎた日の昼下がりに高町家へと届いた連絡。
それは誰もが予想をしていない内容であった。



「恭ちゃんが行方不明?」

実の母親であり、現在は香港に居る美沙斗からの連絡。
それを聞いての美由希の第一声はよく事態を飲み込めておらず、ただ言われた事をそのまま口にしたようなもの。
だが、自らが口にしたその言葉の意味を理解するなり、その声に険しさが含まれだす。
ともすれば叫び出しそうな美由希を電話の前で察したのか、美由希が混乱するまえに鋭く静かな声で娘の名を呼ぶ。

「落ち着いて美由希。今、詳しく説明をするから」

「う、うん」

逸る気持ちを落ち着け、美由希は美沙斗からの説明に静かに耳を傾けるのだった。



美沙斗の元を訪れて練習に参加していた恭也。
だが、彼は練習で組んでいたチームのメンバー諸共音信不通となり、そのまま姿を眩ましてしまう。
一方で、恭也たちの行方を捜す美沙斗たちの元に一つの連絡が届く。

「恭也君によく似た人物を日本で見たという情報が入っています」

同僚の弓華からもたらされた情報に、美沙斗は一縷の望みを掛けて日本へと飛ぶ。
現地で美由希と合流し、二人は恭也の後を追って行く。



日本政府に届けられた一通の犯行声明文。
内容は規定期日までに政府を解体し、統治権を自分たちのリーダーに委ねるように要求するという無茶苦茶なもの。
要求を呑まなければ実力行使もじさないというもので、事実、その証拠として自衛隊の基地の一部が爆破される。
当然ながら政府はこの事を公にはせず、可及的速やかに解決するように各省庁へと通達する。

「そんな訳で、悪いけれど僕は今、力になれないんだ、すまないね」

「いや、構わない。しかし……」

リスティから本来なら機密とも言うべき事を聞かされ、美沙斗は考え込む。
美沙斗が何を考えているのか分かったのか、リスティはこちらも苦虫を潰したような顔をする。

「ああ、あまりにもタイミングがね……。
 恭也らしき人物が見られた場所と、今回爆破された基地とでは目と鼻の先だ。
 しかも、時期まで重なっている」

「偶然である事を願うばかりだね」

「だね。けれど、神様ってのはかなり残酷だからね。もしも、という事も考えておかないと――」

「そんな事あるはずないじゃないですか!」

二人の会話に割って入ってくる美由希。
いつになく激昂した様子に二人は落ち着かせようとするが、それでも最悪の事態を考えるように言い置く。
納得はしないながらも、美由希は何とか口を噤むと祈るような目をして空を見上げる。
何処に居るのかは分からない恭也へと祈りが届くように。



「この顔の傷を刻み込んだ男の息子、か」

男はその言葉が指す額から左目を通り左頬にまで伸びている細長い傷を指先でなぞり、
どこか楽しげな口調でポツリと漏らす。

「古く、今では殆ど廃れた武器を執拗なまでに振い続けるサムライボーイ。
 彼はこの状況でどう動くかな。実に楽しみだよ。
 こんなにワクワクするのは、シロウタカマチと遣り合って以来、久しくなかったことだ」

男が見詰める先に移るのは、望遠で撮られたと思しき恭也の写真であった。
その写真を男は本当に楽しそうに、そして獲物を狙う猛禽類のような目で射抜く。



「実行犯の一人として恭也の名前が挙がった。
 けれど、公表は確認が取れるまで待ってもらえたよ。
 彼や彼の親父さんの実績を知る者が警察上層部に少なくなかったお蔭でね。
 とは言え、それでも限度はある。
 とりあえず、警察は恭也に事情を聞くために重要参考人として恭也を探しているよ」

「ありがとうございます、リスティさん。でも、これって情報漏洩にならないんですか」

「その辺りは気にしなくても良いさ。僕にも色々と権限が与えられているからね。
 恭也が本当に奴らの仲間なのかどうかは兎も角、話を聞くために身柄をなんとしてでも確保しないといけない。
 となれば、君らにこの情報を教えるのは決して悪い事ばかりではないからね」

「なるほどね。確かに恭也が大人しくするのなら良いが、実力行使となれば私たちの方が適任だろうしね。
 それで、他の人間は恭也の協力者を当たっているという所かな」

「協力者?」

「ああ、美沙斗の言うとおりだよ。美由希、協力者というのは、そのまんまだ。
 幾らなんでも恭也の目撃情報が少な過ぎると思わないかい?
 寝所にせよ、食料調達にせよ、そして移動手段にせよね。もう少し目撃情報があっても可笑しくない」

そんなものなのかなと首を傾げる美由希に苦笑を零しつつ、美沙斗は美由希の背中を軽く押す。

「そっちはリスティたちに任せておけば良い。
 私たちは私たちの方法で恭也の後を追うよ」

「うん」

美沙斗に促され、美由希は足を動かす。
そんな二人に軽く手を振り、リスティもまた二人に背を向けて歩き出す。



「準備は整った。さあ、いよいよ日本を舞台にした喜劇の幕開けだ。
 精々、楽しませてくれ!」



新春劇場版 とらいあんぐるハ〜ト3 20009年4月 開幕







年も明けて、今年も頑張るぞと気合も入れた。

美姫 「そうね、後は今年の目標かしら」

うーん、目標か。

美姫 「やっぱり一日一本とか」

うん、無理!

美姫 「分かっていたけれど、速い返事をありがとうね」

いやいや。

美姫 「褒めてないわよ!」

ぶべらっ!
わ、分かってるよ……。
とは言え、毎度、毎度殴られるのも辛い。
よし、今年の目標は美姫が手を出さないようにするとかはどうだ。

美姫 「良いわよ」

えっ!? 本当に!?

美姫 「ええ。手じゃなくて足とか剣とか色々あるしね♪」

意味ねぇ!

美姫 「さて、アンタの言う通りにしてあげるんだから、アンタも私の言うとおりに――」

ごめんなさいでした!

美姫 「まだ何も言ってないでしょう」

言わなくても分かるっての!
どうせ、無茶な事しか言わないんだし……。

美姫 「ったく、変な所だけ鋭くなったわね」

まあ、あれだけ殴られればね!

美姫 「いや、そんなに褒めないでよ。私のお蔭で鋭くなっているのね」

皮肉だよ!

美姫 「分かってるわよ!」

ぶべらっ!
おおう、新年早々空を舞ってるぜー!
って、勘弁してください!

美姫 「ったく、今年もバカのままみたいね」

うぅぅ、今年もこれなのか……。

美姫 「何はともあれ、今年も宜しくお願いしますね」

宜しくお願いいたします。
……と、新年の挨拶をもう一度した所で、今週はこの辺で。

美姫 「それじゃあ、また来週〜」










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