『An unexpected excuse』
〜桃子編〜
「俺が好きなのは…………」
全員が続く言葉を聞き逃さないように耳を欹てる。
「…………」
『…………』
無言で考え込む恭也に全員の視線が集中する。やがて恭也が顔をあげ、その口を開く。
「……かーさん」
『………………』
恭也の台詞に全員が呆れたような表情を浮かべ、苦笑を洩らす。
FCの一人が思い切ったように恭也に話しかける。
「えーと……、高町先輩、そういう意味の好きとかじゃなくてですね」
「できれば身内の方を除いて……」
FCの女の子たちが口々に言ってくる中、再び恭也は無言で考え込む。
そんな恭也を少し複雑そうな顔で見ている者たちもいる。
「……うーん。すまないが、よく分からん」
この台詞に全員が肩透かしをくらう。そんな様子に気付かずに恭也は言葉を続ける。
「これぐらいでもう良いだろ。それよりも、そろそろ戻らないと予鈴が鳴るぞ」
この言葉に全員が立ち上がりその場を去っていく。
ところが、美由希たちは恭也から少し離れた所で先程からこそこそと何やら話をしている。
「ねえ、さっきの恭ちゃんの台詞、皆どう思う?」
「正直、判断に困るわね」
「そうですな。お師匠と桃子ちゃんは実際には血が繋がってへんし」
「そうそう。師匠の事だから先輩達が言うように、ただ家族としての好きっていう意味だったのかもしれないし」
「でも、結構悩んでから返事をしてましたから、ひょっとしたら……」
「そうなんですよね。うーん、どういうつもりでかーさんの名前を言ったのかですよね」
「所で、桃子さんの方はどうなんだろう?」
「それなんですけどね。最近、私や恭ちゃんがお店を手伝うことがあるでしょ。その時のかーさん、よく恭ちゃんを見てるの。
で、恭ちゃんの姿が見えないと無意識に探してるみたいなんだけど」
「それは俺も気付きました。確かに最近の桃子さん、師匠の事をよく見ていますよ」
「ああ、そう言えば。よーお師匠を見て、溜め息を吐いてるんを見ます」
「でしょ。これってやっぱり……」
「ですね〜。だとしたら後は恭也さんが先程仰ったことがどういう意味だったのかですね」
「う〜〜ん。あ、そうだ。だったらさ、こういうのはどう?」
何かを思いついた忍に全員が耳を近づける。そこへ、忍の背後から恭也が近づき声をかける。
「さっきから何を話しているんだ?」
「わっわわ。き、恭也、いきなり話し掛けないでよ。ビックリするでしょ」
「そ、そうか、それはすまない。で、何の話だ」
忍の剣幕に押され恭也は一瞬戸惑い、すぐに謝るが、今度は恭也の言葉に美由希たちが戸惑いの色を見せる。
「ひ・み・つ。これは女の子同士の内緒話なんだから。いくら恭也でも教えられないわ」
「そうか。なら別に構わないんだが、そろそろ予鈴が鳴る頃だから続きは放課後にでもしたらどうだ」
「そうね。じゃあ、恭也は先に戻ってて。私たちもすぐに行くから」
「ああ、分かった。遅れないようにな」
恭也はそれだけを言うと一人で教室へと戻っていた。
ちなみに赤星は巻き込まれる事を危惧して、全員が恭也に注目している間にこの場をすでに去っていたりする。
忍はこの場に自分達しかいない事を確認すると、一応の用心のために小声で自分の思いついた事を話し出す。
「だから、……で……を……するわけ。で、…………」
それを聞いた美由希たちはすぐさま賛成し、そのための打ち合わせを始める。
そして、それらを終える頃には予鈴はとっくに鳴り終わっており、授業の開始まで後、数分と迫っていた。
これに気付いた美由希たちは慌てて教室へと駆け戻っていく。
放課後──
「恭也、今日は翠屋に手伝い?」
「ああ、そのつもりだが。それがどうかしたのか?」
「ん、ちょっと美由希ちゃんたちを借りようかと思って」
「ああ、手伝いは俺一人で構わないから、別に良いぞ」
「そう、ありがとう。後、なのはちゃんも借りるからね」
「なのはもか」
「そうよ。それと夕飯はうちで食べてもらうから用意しなくても良いからね」
「そうか、分かった」
「じゃあね」
「ああ」
お互いに会話を終えるとそのまま別れる。そして、恭也はそのまま翠屋へと向う。
一方、恭也と別れた忍は美由希たちとの待ち合わせ場所まで行き、合流する。
「こっちは大丈夫よ。あとは……」
「ですね」
「じゃあ、行きますか」
そう言うと美由希たちも目的地へと向って歩き出した。
──翠屋
恭也はエプロンをつけながら、奥の厨房へと行き、そこに桃子を見つけるとそのまま近づき声をかける。
「かーさん」
「ん、あ、恭也。今日も手伝ってくれるの?」
「ああ。それと……」
恭也は忍の言っていた事を伝える。
「そう、分かったわ。じゃあ、今日の夕飯は久々に桃子さんが腕を揮うとしますか。恭也も楽しみにしていてね」
「ああ、楽しみにしている。じゃあ、俺はフロアに行くから」
そう言って微笑むと恭也は厨房から出て行く。
(……あの子も大分、笑うようになってきたけど、あの笑顔は反則よね〜)
さっきの恭也の笑顔を思い出し、頬を少し赤くしながら感傷にひたる桃子。
「店長〜、ボーっとしてないで作業の続きをお願いしますよー」
「!わ、わかってるわよ松っちゃん」
松尾に注意をされて慌てて我にかえると中断していた作業を再開させる。
(今日は誰もいないのか。よく考えてみれば、恭也と二人だけっていうのは初めてね。って、私ったら何を考えているのよ!
最近、少し変ね。妙に恭也の事が気になったりして、すぐに視線が恭也を探してる……。やっぱり、私は恭也の事……。
そ、そんな訳ないわよね。でも……、この感じは士郎さんの時に感じていたのと同じ、ううん、あの時よりもずっと強い。
私は恭也のこと……)
「店長ー、こっち出来上がりました」
「!あ、はーい。こっちも、もうすぐだからちょっとだけ待って」
桃子は思考を中断させると後は黙々と仕上げていく。
──翠屋、フロア
恭也が来た時にはそれなりに混雑していた店内も今ではかなり落ち着いてきている。
そのため恭也は自分の考え事に没頭する事が出来た。
(はぁー。俺はなんであの時、かーさんの名前を言ったんだ)
恭也が考えているのは昼間の件での事だった。
(あの場では勝手に勘違いしてくれおかげで無事に誤魔化せたが。とーさん……俺は、とーさんと同じ女性を……。
一層の事、言ってしまえれば楽になれるんだろうか。しかし、そんな事をしても迷惑にしかならないだろうし。
どうすればいいんだ。今まで剣の事しか考えてこなかった俺がこんな事で悩む事になるなんてな……。
結局、俺は剣士としても一人の男としても半人前をいうことか)
恭也は自嘲気味に笑う。まるでそれを合図としたかのように、席を立つ客や、数人のグループの女の子たちが入ってくる。
(とりあえずは仕事に専念するか)
「すまないが誰かレジを頼む。……いらっしゃいませ。何名様ですか」
にわかに騒がしくなり始めたフロアを恭也とバイトの子たちで捌いていく。
……………………
………………
……
・
「ふぅー、やっと終わったわ〜。じゃあ、桃子さん今日はあがるわね〜」
「はーい。お疲れ様でしたー」
「恭也、あんたももういいわよ」
「分かった」
「じゃあ、帰ろうか」
「ああ」
恭也と桃子は連れ立って家路へと着く。
「あ、帰る前にちょっと寄る所があるんだけど良い?」
「ああ、別に構わないが」
「じゃあ、行こうか」
そう言って二人は歩き出す。しばらく進むと恭也は桃子の寄る所に思い当たったらしく、確認してみる。
「ひょっとして、とーさんの所か」
「そうよ。ちょっとね」
「そうか」
それっきり二人は士郎の眠る藤見台に着くまで、お互いに押し黙ったままだった。
士郎の墓の前で二人は手を合わせる。
(士郎さん……。私は恭也の事を……)
(とーさん……。俺はかーさんの事を……)
二人は期せずして同じ事を士郎の前で思っていた。
しばらく手を合わせていた二人は、言うべき事を終えたのか、ほぼ同時に顔をあげる。
「さて、じゃあ帰ろうか」
「そうだな」
そのまま二人は口数も少なく、家路へと着いた。
──高町家
「ただいま〜」
玄関に桃子の元気な声が響くが、それに答える声はない。
それを見ていた恭也は口を開くと、
「おかえり」
そう言って微笑む。それに桃子は苦笑を浮かる。
「あんたも一緒に帰ってきたでしょうが」
「……うむ。それはそうなんだが、まあ何となくだ」
二人でキッチンへと向いながら、話を続ける。
「はいはい。じゃあ、さっさと夕飯の支度でもしようかしら」
「何か手伝おうか」
「ん、それじゃあ野菜を切るのでも手伝って頂戴」
「ああ、わかった。斬るのは得意だからな任せてくれ」
「ちょっと違う意味に聞こえたけど、まあいいわ。じゃあ、お願いね」
「わかった」
キッチンで二人は肩を並べながら野菜を切っていく。その途中で肩と肩が触れ合う。
「あっ!」
桃子が驚いた声をあげる。
「どうかしたのか?かーさん」
「え、あ、ううん何でもないわよ。大丈夫、大丈夫」
「そうか。なら、いいんだが」
そう言うと恭也は再び野菜を切る作業に戻る。それを見て、桃子も作業に戻るが、その頬は少し朱に染まっている。
(わ、私ってば何を意識してるのかしら。ちょっと肩が触れたぐらいで)
「痛っ!」
考え事をしていた桃子は意識はそちらにいっていたため、誤って自分の人差し指を軽く切ってしまう。
「大丈夫か!ちょっと指を見せて」
「あ、うん」
恭也は慌てて桃子の手を取ると傷の具合を確かめる。
「大丈夫だ、深い傷じゃない」
そう言うと恭也は桃子の人差し指を口に咥える。
「んっ」
「え、あ、ち、ちょっと恭也」
「ふう、これで大丈夫だ。一応、後で消毒はしておいた方がいいだろうけど」
「あ、ありがとう」
お礼を言う桃子の顔が赤いのを見て、恭也は自分が今した事を思い出し、自身の顔も赤くなる。
「……っ!すまない」
「べ、別にいいわよ。恭也は私のためにしてくれたんだから」
「それはそうなんだが」
「そ、それにそうやって謝られるとこっちの方が困るわ」
「すまな……、わかった」
沈黙が二人を包み込む。お互いに発する言葉が見つからなく、そのまま見詰め合う。
その時になって恭也は未だに桃子の手を握ったままだという事に気付き、その手を離そうとする。
「あっ!」
桃子は恭也が手を離そうとするよりも少し早く、残るもう一方の手で恭也の手を掴む。
「……っ!かーさん!?」
「あ、その……」
(な、何をやってるのかしら私は。早く手を離さないと……)
そう思うのとは裏腹に桃子は握る手に力を込め、離そうとはしない。
まるで別の人のものみたいに思うように動かせない自分の手を食い入るように見詰める桃子の瞳から雫が零れ落ち、
二人の繋いだ手で弾ける。それを見た恭也は無意識に桃子を抱き寄せる。
「あっ!き、恭也……」
突然の事に驚きの声をあげ、されるがままになる桃子。一方、抱きしめた恭也も自分のとった行動に内心、驚いていた。
(俺は何をしているんだ。でも、かーさんが悲しそうにしているのを見たら……)
(恭也……。こんなに優しくされたら、私もう……)
桃子は恭也の手を離すと両手を恭也の背中に回してきつく抱きつく。
恭也も両手で桃子を包み込むように強く抱きしめる。
「恭也……恭也……恭也、恭也……」
「落ち着いて、かーさん。俺はここにいるから」
「違うの!そうじゃなくて、……私は、恭也……貴方の事を…………」
「……かーさん。俺も貴女の事を……」
「それ以上言ったら駄目よ」
「何故?」
「私たちは親子なのよ」
「でも、血は繋がっていない。それに自分の気持ちに気付いた以上、もう誤魔化せない。いや、誤魔化したくない」
「……私も同じよ。でも、本当に良いの?」
「ああ。だから、言うななんて言わないでくれ。俺はかーさんの事……」
「やっぱり駄目よ、それ以上は」
「なぜだ?」
「だって、それ以上聞いたら嬉しくて泣いてしまうもの」
「しかし……」
「大丈夫よ。恭也の気持ちはちゃんとわかったから。私も恭也の事、愛してるわよ。だから、二人だけの時は名前で呼んで」
「……かーさん、いや、桃子はずるいな。自分だけ言うなんて」
「そうよ。だって、好きな人には泣き顔よりも笑顔を見てもらいたいじゃない」
「でも、嬉しい時の涙なら別にいいんじゃないのか」
「いやよ」
「……俺は桃子がどんな表情をしても可愛いと思うんだが」
「///あ、あんたはまた、そういう事を言って……」
「俺は何か変なことを言ったのか?」
「〜〜〜っ、その無自覚な所、少しは直しなさいよ」
「よく分からんが、努力はする。で、やっぱり言ったら駄目か」
「……今はまだ駄目よ。美由希たちに全てを話して、私と恭也の関係を認めてもらえたらね。
その時に聞かせて。ね、今はこれだけで充分幸せだから」
そう言うと桃子は恭也の胸に顔を埋める。恭也はそんな桃子を優しく抱きしめながら、ただ一言了解した事を伝える。
しばらく抱きしめ合った後、名残惜しそうに離れる。
「そろそろ夕飯の支度をしないとね」
そう言って柔らかく微笑む桃子の右肩に恭也は左手を置き、右手で顎を摘み上を向かせると、その瞳を見詰める。
「言葉にできないのなら……」
そう言って、恭也は目を閉じると顔を近づけていく。徐々に近づいてくる恭也に桃子も抵抗せず、目を閉じその瞬間が来るのを待つ。
そして、そのまま唇を合わせる。それは一瞬の事だったような、何時間もの事だったような感覚を二人に与える。
やがて、どちらともなく離れた二人の顔には笑みが浮かんでいた。
「これが俺の気持ちだ」
「うん」
頷く桃子の瞳は少し潤んでいたが、何とか堪える。そして、何か口を開こうとした時、
「クシュン」
部屋の入り口からクシャミが聞こえ、二人はそちらを見る。
そこには……、
「あーあ、ばれちゃった。那美、駄目じゃないクシャミなんかしたら」
「うぅ〜、すいません。でも、なのはちゃんの髪の毛が丁度、私の鼻のあたりに当たって。
何度も我慢したんですけど……」
「まあまあ、忍さんも本気で怒っている訳ではないので」
「そうです。せやから、そないに落ち込まんと」
「ありがとうございます」
高町家の住人と忍と那美がそこにいた。
「あ、あんたたち。い、いつからいたの」
「は、はははは。と、途中から……かな?」
「そ、そうですね。で、でも結構、初めの方だったかもしれないですけど」
「そうそう。確か、桃子さんが包丁で指を切った所ぐらいから……かな?」
「それって初めからじゃない」
「まあまあ、桃子さん。落ち着いてください」
「そうです。折角のおめでたい日ですから」
口々に祝福?らしき台詞を述べる美由希たちと一人、事情を未だに飲み込めていないなのは。
そんななのはに美由希が説明をする。その美由希の説明で納得がいったのか、なのはは恭也に近づくと嬉しそうな顔で、
「えーと、つまりお兄ちゃんがおとーさん?」
「……美由希、一体何と言って説明したんだ」
「あ、あはははははは。で、でも別に間違っていないし……」
「明日からの鍛練が楽しみだな」
「う、うぅぅぅ〜〜」
「それよりも、俺とレンとで御馳走を用意してるんで早速行きましょう」
「行くってどこに?」
「そ・れ・は、忍ちゃんの家よ〜」
「忍、初めから企んでいたな」
「なんの事かしら〜」
「ほぉー、とぼけるのか?」
「うっ、い、いや、ほら。あはははははは。ま、まあいいじゃない」
「何がだ」
「ほ、ほら、これで桃子さんに言えるでしょ。美由希ちゃんたちの許しもある事だしね」
「……はぁ〜、もういい」
「で、言わないの?」
「後でお前らがいない時にな」
「え〜〜、忍ちゃんは今、聞きたいのに〜」
「何で、お前らがいる所で言わないといけないんだ!」
そう言う恭也にその場にいた全員が残念そうな顔をする。
(こいつらは……)
そこへ思わぬ所から援護が来る。
「恭也は私も今、ここで言って欲しいんだけど……だめ?」
桃子が恭也の袖を引きながら、涙目と上目遣いという技で恭也にお願いをする。
「し、しかし、ここでと言うのは……」
「だめなの?さっきはあんなに言おうとしてくれたのに……」
「あ、え、その、なんだ」
恭也が後退った分だけ詰め寄る桃子。ついには恭也の方が折れる。
と言うよりも、今までこの状態の桃子に恭也が勝った事など一度もないのだが。
「桃子……愛してる」
「うん!私もよ」
そう言って、キスをする桃子の瞳からは堪えきれずに零れ落ちた一滴の雫が頬に流れ落ちる。
差し込んでくる月光に照らされ、一つに重なる二人の姿はとても美しく、その場にいた者皆が言葉をなくし、ただ見詰める。
皆に見守られながら、その顔を幸せに一杯に満たせて、二人の影はいつまでも重なり合っていた…………。
おわり
<あとがき>
ケイジさんのリクエスト桃子さん編でした〜。
美姫 「あれ、知佳編は?」
いや、先にきり番リクエストの方から仕上げようかと思って。
美姫 「じゃあ、この次は知佳編のなるのね」
……私は貝になる。
美姫 「いや、貝になられても。実際、知佳編なんでしょ」
どうしようかな。まあ多分、知佳になるとは思うんだけど。ひょっとしたら銀髪の悪魔(?)かもしれないし。
後は、今度はちゃんとした、とある魔法少女かもしれないし。
美姫 「要するに、まだ出来ていないのね」
そうとも言うな。ち、違うぞ。知佳は途中まで出来てるんだぞ、一応……。
美姫 「ふーん。って本当に途中も途中。出だしだけじゃない」
はははははは。
美姫 「笑って誤魔化すな!」
ゴス!
柄はやめろ、柄は!結構、痛いんだぞ!
美姫 「そんなのはいいから、さっさと続きを書きなさい!」
チクチク
や、やめて、すぐに書くから、剣先で突付くのはやめて〜。
美姫 「もう。本当、馬鹿な作者を持つと苦労するわ。では、皆さんごきげんよう。また次回でお会いしましょう」