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とらいあんぐるの軌跡 (とらハ×空の軌跡)
日時: 2008/09/22 15:54
名前: かまんべーる

どうも、かまんべーるです。

ちびちびと書いていきますがなにとぞ応援ヨロシクお願いします。

誤字などは感想板におねがいします。


序章 絆の生まれた日

>>1  第1話 プロローグ(恭也side)
>>2  第2話 プロローグ(エステルside)
>>3  第3話 運命の変わる日
>>4  第4話 新しい家族と新たな絆[前編]
>>5  第5話 新しい家族と新たな絆[中編]
>>6  第6話 新しい家族と新たな絆[後編]

第一章 父、旅立つ

>>7  第1話 とある一家の風景【前編】
>>8 第1話 とある一家の風景【中編】(書きかけ)

メンテ

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Re: とらいあんぐるの軌跡 (とらハ×空の軌跡) ( No.1 )
日時: 2008/09/24 13:38
名前: かまんべーる

プロローグ(恭也side)


激しい雨が降っていた
全ての音を掻き消していくような強い雨の中、一人の少年はゆっくりと歩いていた。
彼の手には雨に濡れないように一冊のノートと少年には似つかわしくない二本の小太刀を大事そうに抱えていた。

少年の名前は高町恭也
爆弾テロによって肉親である父を失った彼は家族の声を聞かずに父が残したノートに書いてある[御神流]を体得しようと日々無茶な訓練を行なっていた。
「早く、皆を守れるだけの力が欲しい。」
彼は父がいなくなってからは自分が家族を守るという事にばかり頭が回ってしまい、周りの状況を見えなくなってしまっていた。
「今日も遅くなってしまったな、急いで帰らないと。」
そう言ってペースを上げようとした時、事件は起きた。

きいぃぃぃぃーーーー!

背後から猛スピードで突っ込んでくる一台の車、視界が悪いなかスピードを上げて突っ込んでくる車が今まさに恭也の目の前に死神のごとく舞い降りたのである。
「くっ。」
猛スピードで迫る車を避けようと行動しようとした恭也に異変が起きた。

(足が動かない!)

いくら避けようとしても恭也の足が動かないのだ、その理由は常日頃からのハードな剣の訓練がまだ幼い恭也の身体に多大なる負担をかけていたからである。
家族を守ろうとした努力はいま恭也に絶望として返ってきたのである。

(いままでのオーバーワークが祟ったか、これは家族の言葉を聴かないでいた俺に対する罰かな。)
動かない身体に恭也は抗うことをやめると、静かに目を閉じて直ぐに来るであろう衝撃に覚悟を決めた。

しかし、その覚悟は別の形で打ち砕かれる
目を閉じ死の覚悟をした恭也の身体がまばゆい光をはなち次の瞬間、高町恭也はこの世界から姿を消した。






あとがき

いやはやのかまんべーるです。
いったん記事を消して新たに書いて戻ってきました。

皆さんからの意見を聞いてやはり恭也は御神流を使えないといけないと思い大幅に修正しました。
しかし、まだまだ未熟なんで矛盾が発生するかもしれません。
その時はまた意見をください、自身の糧にしたいとおもいます。


次回はエステルsideの話です。
メンテ
Re: とらいあんぐるの軌跡 (とらハ×空の軌跡) ( No.2 )
日時: 2008/09/24 22:39
名前: かまんべーる

プロローグ(エステルside)


地方都市ロレント
そこはリベール北東に位置する地方都市
主要な産業は農業と七耀石(セプチウム)の採掘である。
そして街の中心にそびえたつ時計塔はロレントのシンボルであり象徴でもあるものであった。
いつもは街の人々で賑わう場所も今は静かな静寂にみちていた。



《百日戦役》
後にそう呼ばれる大戦は七耀暦1192年春、北の大国【エレボニア帝国】からの突如の宣戦布告により開戦された紛争である。
開戦の1カ月でほぼ王国全土を占領したが王国軍の飛空挺を用いた反攻によりあっさり敗北。遊撃士協会らの調停により両国は結ぶこととなる。



これはまだ大戦が起こっていた10年まえの話である
戦争中なのか街の中は閑散としていた、その街の中に二つの人影が現れた。


「お母さん!はやくはやく!」
ブラウンの髪を二つにわけ元気に街を走る女の子は元気よく手を振りながら自分の母を呼ぶ。
「前を見なさい、転ぶわよ。」
「だいじょうぶ、だいじょう・・きゃっ!」
元気に走っていた少女がいきおい良く地面に倒れこむ
「エステル!」
慌ててエステルに駆け寄ると怪我の状態を確かめる。
「エステル大丈夫?どこも怪我してない?」
母がエステルを心配そうに見るがエステルは直ぐに立ち上がり
「大丈夫だよお母さん! どこも怪我してないし全然痛くないよ。」
エステルは笑顔を向けると直ぐに目的地に歩き出す。
しかし、それは一つの手によってさいぎられる。
「だめよ、また転ぶかもしれないからお母さんと手をつなぎましょうね。」
笑顔でエステルに手を差し伸べるとエステルは同じく笑顔で母の手をつなぐ。
二人の目的地は街の象徴である時計塔
軍で働いている父を見たいとエステルが言い出し、少しだけならと街に赴いたのである。
「いい、エステル。時計塔に登っもいいけど直ぐに降りてくるのよ。」
「うん!」
時計塔に着くと駆け出しそうなエステルに忠告をするがエステルは直ぐにでも駆け出していきそうな勢いである。
苦笑いでエステルの手を離すと急ぎ時計塔に登ろうとする。
「まったく、誰に似たのかしら。もうちょっと女の子らしくできないのかしら?」
そういって空を見上げた母レナは奇妙な影を見つける
それはリーベルとエレボニアの境界に存在するハーケン門から飛来してきた砲弾だった、砲弾は一直線に時計塔に向かい次の瞬間、時計塔に直撃した。

「エステル!」
レナは急ぎエステルのそばに駆け寄る、しかし時計塔の瓦礫が刻一刻とエステルに近づくなか一足先に間に合ったレナはエステルを庇うように覆いかぶさる。
(今の状態では間に合わない、ならせめてエステルだけでも。)
死を覚悟したレナは我が娘を守るため力一杯抱きしめる。
(神よ、どうかエステルだけでもお助け下さい。)

死と絶望、二つの暴力が今まさに二人の命の灯火を消そうとしている。

しかし、そんな絶望のなか一つの希望が舞い降りる
それは死という運命さえ変えてしまう風
そして世界の運命さえ変えてしまう漆黒の風であった。



あとがき

はい、エステルsideのプロローグでした。
いやはや文章って難しいですね、何回も書き直しましたよ。
でも次はいよいよ運命が変わる瞬間を書こうと思いますが正直自信ないです。
しかし自分なりに頑張っていこうと思うので、どうか気長にお待ち下さい。

メンテ
Re: とらいあんぐるの軌跡 (とらハ×空の軌跡) ( No.3 )
日時: 2008/09/26 09:49
名前: かまんべーる

第三話 運命の変わる日


それは時計塔に砲弾が当たる少し前に遡る

街の中心からすこし離れた裏路地に突如一つの光が巻き起こった。
光の中心から現れたのは、腕にノートと小太刀を大事に抱え込んで立ちすくんでいる黒尽くめの格好をした少年【恭也】である、恭也はいつまでたっても来ることのない衝撃に疑問を抱き恐る恐る目を開けた。

「ここは・・・どこだ?」
恭也の目の前に広がった光景は先程までいた光景とは違い、回りの景色は恭也の全く知らない光景を彼に見せていた。
「たしか俺はあの時、車に轢かれそうになってそれから・・・・。」
先程まで自分に起ころうとした状態とはかけ離れた状況に恭也は混乱を覚えたがある変化に気づく。
「・・・・雨が降っていない?」
さっきまで台風のように激しく降っていた雨が降っていないのである。
それに加え、ずぶ濡れだったはずの服も乾いている。
このことにさすがの恭也も動揺を隠し切れない。
「なぜ雨が止んでいる、それにここは?」
しかし、いくら悩んでもなにも解決するわけでもなく恭也はとりあえず今いる場所から移動することにした。

「しかし、ここは本当に何処なんだ?俺の記憶には全く存在しない場所だな。」
移動を始めた恭也は改めて回りの景色に目を向けた。
石作りの建物に石畳で舗装された道路、そして何よりありえないくらいの緑。そこは恭也にとってまるで別世界であった。
路地から一歩踏み出すと恭也の目の前に大きな時計塔が現れた。
するとタイミングよく時計塔の前に二つの人影を発見した。
「ここの人かな?何かわかるかもしれないな。」
恭也は情報をて手に入れるべく二人のいる時計塔に足を進めようとした時。

一つの音が状況を一遍させた。
そしてその音こそがこの場にいる三人の運命が新たに動き出す瞬間でもあった。

「なっ!」
突然の爆発音に恭也は一瞬身体を硬くするも次の瞬間に時計塔の前に居る二人のもとに駆け出していた。
(間に合え!)
恭也は力の限り走った、身体はいまだにボロボロだがそれでも恭也は走ったのである。
(絶対に死なせはしない、俺の目の前であんな悲劇は起させはしない!)
なにかにとりつかれたかの様に恭也は二人の下に全力でむかっていった。


恭也の一族は爆弾テロにより壊滅した。
それは恭也がまだ幼い頃、恭也の身内である御神琴絵と不破一臣の結婚式が行なわれていた総家に【龍】と名乗る組織が爆弾を仕掛けたのである。
過去、対人戦において無敵を誇った一族もたった数個の爆弾には敵わなかった。
この事件で生き残ったのは数名、恭也とその父である不破士郎、そして娘の風邪のために病院に行っていた士郎の妹である御神美沙斗とその娘である美由紀のたった数名だけであった。
事件の後、美沙斗は士郎に美由紀を預け一族の仇をとるために裏世界に飛び込み。
恭也達は組織にばれないように身を隠しながら生活をしていた。
しかし、運命は新たな悲劇を起した。
数年後、ボディガードとして活躍していた士郎が爆弾テロにより命を落としたのである。
その二つの事件により恭也は爆弾を嫌っていた。
だが、目の前で新たな悲劇が恭也を襲おうとしている。

(ダメだ、間に合わない!)
時計塔の崩壊が早く今の恭也の足では間に合いそうもない、しかし恭也はそれでも走ることを止めはしなかった。
(嫌だ、もう俺の前で誰かが死ぬのは見たくない。お願いだ俺はどうなってもいいから俺はあの二人を助けたい!)
恭也の切なる願い
それは恭也に一つの奇跡を起させた。

ドクン!
次の瞬間、恭也の見る景色が変わった
回りの色が白黒になり瓦礫の落ちるスピードを先程よりもスローモーションになっているのである。
(まさか、これは神速!)
恭也は御神の奥義の歩法である神速の領域にふみこんだのである。
それは恭也の二人を守りたいという意思が生んだ奇跡であった。
(これなら間に合う!)
恭也は最後の力を振り絞り二人の下に舞い降りた
二人の下に付いた恭也は神速が切れ身体が悲鳴をあげている中、急ぎ二人を安全な場所に突き飛ばした。
(・・・良かった)
そして恭也も生き残るため瓦礫の落ちてこないであろう場所へ倒れるように飛んだ。
そして次の瞬間、恭也の意識は暗い意識の海に落ちていった。


かくしてここに一つの運命が変わった
この時計塔の崩壊により命を落としてしまうはずであったレナ・ブライトはイレギュラーである恭也の行動により命を救われた。
そしてこれがこの世界でおこるはずの運命を少しだけ変えてしまった瞬間でもあった。


あとがき

かまんべーるです
とりあえずは問題の話は終わりました
かなりの試行錯誤で文章も文法をすべてぐちゃぐちゃかもしれません。
それについては修正をくわえていく予定ですが今はとりあえず書いたという満足感に浸らせてください。
それではまt次の話でお会いしましょう。
メンテ
Re: とらいあんぐるの軌跡 (とらハ×空の軌跡)  ( No.4 )
日時: 2008/10/01 12:01
名前: かまんべーる

第4話 新しい家族と新たな絆 【前編】


レナside

(神よ、どうかエステルだけでもお助け下さい。)

瓦礫の脅威から娘だけでも守ろうと力強く抱きしめ、きつく目を閉じたレナに瓦礫が落ちる瞬間、予期せぬことが起きた。
後から思い切り押されたのである。
(えっ!?)
急に押されたレナは5メートルくらい先まで飛ばされ次の瞬間にはレナのいた場所に複数の瓦礫が落ちてきた。


「いったい・・・なにが起こったの?」
あまりに急な展開に頭が追い付いてこないレナは無意識に腕の力を強くしていた、すると腕の中から声が聞こえた。
「お母さん、痛いよ〜。」
腕の中から聞こえる声にレナは慌てて腕を外すとぷはぁ〜と言う声と共にエステルが顔を出した。
「お母さん、ひどいよ。あと少しで死んじゃうかとおもったよ。」
「あらあら、ごめんねエステル。お母さんちょっと動揺してたから。」
すこし怒り顔をしたエステルに謝るとエステルは直ぐに笑顔に戻った。
「えへへ〜」
「それはそうと、怪我はしてない?」
「うん、お母さんが守ってくれたから大丈夫だよ。」
「よかった。」
エステルに怪我がないことに安堵していると突然エステルから声がかかった。

「お母さん!!瓦礫の下敷きになってる子がいるよ!!」
エステルんの声のした方向を見ると自分達のいた場所に小さな男の子が下敷きになっているのである。
そして、その後のレナの行動は早かった。
「エステル、急いで何人か街の人を呼んできて!それからメルダースさんのところに行って【水のアーツ】を借りてきて。」
「わ、わかった!」
レナの指示にエステルは急ぎ街の人を呼びに走り去った。
そしてレナは男の子の傍に急ぐと小さい瓦礫から退かしていく。
そして男の子の近くであるものを発見する。
「なにこれ?」
それは一冊のノートと二本のナイフ状の武器であった。
「なんでこんな小さな子が武器なんか、それにこのノート。」
男の子には悪いがノートを開く、しかしノートの内容は何処の国の文字とも違うものであった。
「この子は一体・・・?」
疑問に思いながらも少年の救出を優先させようと再び行動をはじめると後から声が聞こえてきた。
「おか〜さん、街の人連れてきたよ!」
エステルが街の人をつれて戻ってきた。
「おーいレナさん、俺たちは何をすればいい?」
「皆さん、この瓦礫をどかすの手伝ってください。」
「「おう!!」」
若い男たちが急ぎ少年の上にある瓦礫をどかしにかかる。
「それでレナさん、わしはどうしたら良い?一応頼まれた水のアーツは持ってきたが。」
初老の男性メルダースの手には青い七耀石の欠片でできたクオーツとそれを発動させることのできるスロットをレナに差し出す。
「ありがとうございます、傷の具合にもよりますが彼の応急処置がしたいので。」
メルダースからクオーツとスロットを受け取った時、後から声がかかる。
「レナさん、瓦礫どかしました!」
「わかりました。」
レナは急ぎ少年の元に行くとあまりの惨状に絶句した。
「・・・ひどい。」
レナがみた少年の怪我は上半身は瓦礫による切り傷が多数、そして腕の骨折が数箇所だけだったが下半身はレナが想像するよりも酷いものであった。
瓦礫が右足を中心に当たったのか膝下が半分以上の骨が砕けており骨が皮膚を突き破っている箇所さえあった。
「うっ!」
一人の男が余りの状況に戻しそうになってしまう、それほど恭也の怪我はひどかった。
「・・・助けてみせる!」
本能的にレナはこの少年が自分たちを助けてくれたのだと確信をし、いそぎ治療を開始する。


『命を癒す水よこの少年の傷を癒せ【ティア】!』


レナが呪文を唱えると少年の周りに淡い光が走る。
すると少年の傷口が徐々にだが消えていく。
骨折は完治まではいかないが少しくっつく程度まで回復していた。

「相変わらずレナさんの回復呪文はすごいのー」
横でみていたメルダースは感嘆の声をあげレナを見るがレナの表情は厳しいものであった。
「どうかしたのかねレナさん?」
厳しい表情をいぶかしんだメルダースがレナに尋ねるとレナは呟くように答える。
「おかしい、この子の傷の直りが遅いの。」
「なんじゃと!?」
メルダースが驚くのも無理は無い。
レナはこの地域ではかなり高めの魔力を保有している、例えどんな重症でもものの数分でほぼ完治してしまう。それくらいの魔力をレナは有している。
だがレナの魔力をもってしてもこの少年の傷は未だに完治しないのである。
「こんなことは初めてだわ、もしかするとこの子は極めて強力な【魔力遮断能力】をもっているのかも。」
初めてのことに焦りと不安を感じたレナは集中を乱してしまう、するとさっきまで少年に周りを囲んでいた淡い光がすっと消えてしまった。
「あっ。」
一瞬の油断か慌てて魔法をかけようとするが先程感じてしまった【魔力遮断能力】がレナのあせらせる。
(助けたい、でも私の力でこの子を助けられるの?)
焦りは不安を生む、レナは少年を助けたい焦りと本当に自分がこの子を助けられるのかという不安で押し潰されそうになっていた。
するとレナの背後に温かいぬくもりを感じた。


「お母さん、大丈夫だよ。」
「えっ!」
後を振り向くとそこには笑顔のエステルが自分に抱きついていたのである。
「お母さんは一人じゃないよ、私がいる、皆がいる、だからきっと大丈夫だよきっと助けられるよ」
エステルが笑顔で答えると周りの人も次々と声をかける。
「そうだよレナさん、俺たちだってこの子を助けたいんだ! だから諦めないでくれ、もし魔力が足りないなら俺たちも力を貸す。そうだろ皆!!」

「「「おう!!」」」

「そうじゃ、レナさん一人に頼ってられんからのぅ。」
後からメルダースが自分の店にあるありったけのスロットと水のクオーツをもってあらわれた。
「ほれ、店のスロットと水のクオーツ全部持ってきたぞ!みんなでこの子を助けるんじゃ!」
すると一人、また一人とスロットと水のクオーツを手にとると少年の周りを囲むようにあつまる。


「・・・・皆さん」
レナは街の人たちの温かい声を聞き、なにより自分を信じてくれているエステルのために今一度頑張ろうと再び集中し始める。
「少し駆動時間のかかる魔法と唱えます、それまでみなさん頑張ってください!」
するとレナは目を閉じ魔力をためる為に詠唱を始めた。
「それじゃあ俺たちも始めるぞ!」
「「おう!!」」
街の人達が詠唱を始め、そして発動する。

『『『命を癒す水よこの少年の傷を癒せ【ティア】!』』』

先程のレナの光には劣るものの街の住人の魔力が少年を包み込む。
そしてレナも詠唱を終え呪文を唱えようとした時、エステルが抱きついてきた。
「あのね、私じゃまだ呪文唱えることは出来ないけどお母さんの傍で応援してる、だから頑張ってお母さん!」
笑顔でそう言ったエステルにレナも微笑ながら
「そうね、エステルも一緒にあの子を助けましょう。」
「うん!!」
そう言ってレナは少年に向かい自身のもつ最高の魔法を唱えるのだった。


『水の煌き、水の囁き、我が声を聞け汝らの癒しの力でかの勇気ある少年の傷を癒したまえ【ティアラ】!!』

レナが詠唱をすると先程とは比べ物にならないほどの光が少年の身体を包んでゆく。
「くっ!」
少年の周りを囲んでいた住人たちが魔力切れにより方膝を付いていく。
「もう駄目じゃ、レナさん後は頼みます。」
最後まで頑張っていたメルダースをついに魔力が底をつき倒れてしまう。
最後に残ったのはレナとレナに抱きついているエステルだけになった。
「皆さん。」
倒れてしまった街の人を見て集中が切れそうになる。
「お母さん、あと少しだよ頑張って!」
後から聞こえるエステルの声に勇気を貰い最後の力を振り絞る。
「はぁぁぁぁ〜〜〜〜!」
光が煌いた瞬間、辺りには蛍のような光の粒とその中心で寝ている少年の姿がそこにはあった。


後編に続く。




あとがき

いやいや、久々の更新です。かまんべーるです。
ついに書いてしまいました、いろいろな苦労があり挫折がありましたがどうにか前編という形で書き終えました。
最初は全部書けるかと思ってたんですがいかせん、内容をかんがえるのに時間がかかり最後までの構想が全くできませんでした。
なんで急遽前編と後編にわけました。
前編は恭也を助けるイベントに後半はタイトルの通り恭也がブライト家の仲間いりをする話を書こうと思いますのでどうか気長におまちください。
メンテ
Re: とらいあんぐるの軌跡 (とらハ×空の軌跡) ( No.5 )
日時: 2008/10/02 22:49
名前: かまんべーる

第5話 新しい家族と新たな絆 【中編】


少年の救出から数時間後・・・

少年は街から少し離れた一件の家のベットの中で眠っていた。

そしてその傍らには一人の少女が心配そうに少年を見つめていた。
エステルである。
エステルは汗をかいて苦しそうにしている少年の汗をタオルで拭き、水を取り替えるために部屋を出ては台所で水を取り替える、エステルはその行動を何回も繰り返した。
しかしエステルも疲れがピークに達しており、知らず知らずのうちに額から汗が滴り落ちていた。


「エステル、少し休みなさい。」
あまりにも献身的に面倒を見ているエステルに母であるレナは休むようにエステルに話掛ける。
「大丈夫だよ、私たちを助けてくれた子なんだから一番最初にありがとうって言いたいんだもん。だから大丈夫!」
そういってエステルは取り替えた水がはいった桶を持つと再び少年のいる二階の寝室に向かっていった。


「まったく、エステルの頑固なところは誰に似たのかしら。」
苦笑いをしながらも優しく育ってくれている我が子に内心嬉しくて堪らないレナであった。


少し時間が過ぎ、レナが晩御飯の仕度をしているとものすごい勢いでドアが開いた。
「レナ、エステル無事か!!」
大声をあげて家の中に入ってきたのは緑を基調とした軍服をまとい立派な口髭を生やした男であった。
「おかえりなさい、私もエステルも大丈夫ですよ。」
慌てて帰って来た男、レナの夫でありエステルの父親でもある[カシウス・ブライト]は安心したかのように息を整えレナを見る。
「そうか、無事か。戦闘中に流れ弾がこっちに向かっていった時はきがきじゃなかったよ。」
二人の無事を確認できてホッとしたのか椅子に座ると背もたれに寄りかかるように座る。
「お疲れ様、でもね実際は私たちも危なかったのよ。」
「・・・どういうことだ?」
レナの言葉に疑問を持ったカシウスがレナに尋ねた。
「実は砲撃があった時、私とエステルは時計塔の前にいたの。」
「なんだって!!」
あまりの衝撃的な発言にカシウスは椅子を倒す勢いでレナに詰め寄ろうとする。
「待ってくださいあなた、もし当たっていたら私もエステルもここには居ないわよ。」
「うっ、そうだな。取り乱してすまない。」
あまりの出来事にあせったカシウスに宥めるようにレナが落ち着かせてから話を続ける。
「実際に危なかったのは事実よ、でもねあたし達を助けてくれた子がいたの。」
そこで気になるフレーズにカシウスは率直にレナに尋ねる。
「くれた子?その子は一体何歳くらいなんだ?」
「何歳?そうね、見た目だけだとエステルより年上だと思うけど多分8歳くらいじゃないかしら?」
レナは自分を助けてくれた少年を思い出しカシウスに答える。
「8歳!!一体その子は何者なんだ!!」
あきらかに幼い少年に対してカシウスは疑問を投げかける。
「そうなのよね、それであなたに見てもらいたいものがあるのよ。」
そういってレナは棚の上に置いておいたノートと二本の武器を机におく。
「これは?」
レナのおいたノートと二本の武器に目を向ける。
「これはその助けてくれた子の近くに落ちていたものよ。たぶんあの子の持ち物だと思うのだけど。」
カシウスは武器を手に持ち鞘から刀身を取り出す。
「これは、真剣じゃないか!!なんでそんな子がこんな物を持っているんだ!」
あまりに危険な物にカシウスは二人を助けた少年に対して危険ではないかと考えてしまう。
「確かに子供がもってるには余りに危険な物よね、でもそれとは別にこれを見て欲しいの。」
レナは机の上においてあるノートを手に取るとカシウスに渡す、カシウスは武器を鞘に戻し机に置くとレナからノートを受け取る。
「これは?」
「これも助けてくれた子が持っていたものよ、勝手に見ちゃったんだけど私には読めなくて。」
カシウスはレナからノートを受け取るとノートを開き内容を読んでみようと試みる。
「ん?これは確か東の国の文字で漢字というやつだな」
「カンジ?」
聞きなれない言葉にレナは首をかしげる。
「確かにこれはレナには読めないよ、なんせ俺も少しくらいしか読めないからな。」
そういって読めそうな部分だけ読んでみる。
「なになに? ふむふむ・・なるほど!」
「なんて書いてあるの?」
「このノートには小さい子が無理をしないように事細かな練習メニューが書かれているな、それにしてもこんなに詳しくかかれた練習メニューは初めてだ。」
あまりにも的確でバランスのとれた内容に感嘆の声をあげる。

「もしかするとその子の父親はかなりの使い手だな、ううむ一度でいいから闘ってみたい。」
あまりの内容にカシウスの軍人としての血がたぎってるかのようにレナには見えた。
「あなた、あまり自分の世界にいかないで下さい。」
「んっ?あぁ済まない。ところで今その子は何処にいるんだ?それにさっきからエステルの姿も見えないが。」
辺りを見回し自分の娘がいないことに気づきレナに尋ねる。
「・・いまさらですか、あの子ならいま自分の部屋で助けてくれた子の看病をしてるわよ。」
「そうか、ならその子の状態も見たいから部屋に行くとするか。」
そう言って席を立つと二階からドタバタと階段を駆け下りる音がした。
「お母さん、あの子が起きた!!」

エステルの声により恭也とエステル達の運命は急速に加速を始める。
そう、これが恭也と新しい家族の邂逅の瞬間でもあった。


あとがき


とりあえずすいません、後編を書くつもりが何故か中編に(汗)
頑張って書いてたつもりがつまずいてしまい、ちょうどキリが良かったので中編としました。
あまりにいい加減で自分でも嫌になりますがいまの自分の限界なんで許してください。
感想もいただけたら幸いです。
では後編でお会いしましょう。

メンテ
Re: とらいあんぐるの軌跡 (とらハ×空の軌跡) ( No.6 )
日時: 2008/10/06 15:28
名前: かまんべーる

第6話 新しい家族と新たな絆【後編】


「・・・・・ここは何処だ?」

見知らぬ部屋、そしてベット
高町恭也はそんな場所で目を覚ました。

「たしか俺は時計塔の前にいた家族を助けようとして・・・そうだ、あの家族は!!」
おもむろにベットから起き上がると身体中を激痛が奔った。
「・・・・・・!!!?」
声にもならない悲鳴に恭也は蹲るように倒れこむ。
(身体中が軋む、まるで全身の骨が折れてるみたいだ。)
自身の状態を把握しながら恭也は辺りを見回す、そこには可愛らしい人形が多数置いてあり、その中には場違いのような立派な釣竿も飾ってあった。
(いったいこの部屋は?)
恭也は状況をもっと詳しく知るためにベットから激痛を堪えながらでようとした時、ドアが開き女の子と目があった。
「あ〜〜〜〜〜〜、なに起きてるの!まだ怪我が治ってないんだから起きないの!!」
目の前の女の子の大声に耳をおさえながら恭也は女の子に尋ねる。
「あの、ここは「とりぁぁ〜!」ぐはぁ!!」
尋ねる前に少女からの飛び蹴りが恭也に直撃、恭也は不意をつかれお腹に少女の蹴りをまともにくらい倒れこんでしまう。
「あなたは怪我人なんだからとっととベットに戻る!」
仁王立ちをした少女が恭也にそう言うとその後から声がした。

「いや、エステル多分聞こえてないんじゃないか?」
あまりの早さで起こった展開に父であるカシウスは呆れながらエステルに話しかけ、レナにいたっては呆然としていたのであった。


「ごめんなさい!」
少女は恭也が目を覚ますと同時に謝った。
「大丈夫だから、頭を上げて。」
「でもでもでも。」
それでも謝りたりないのか少女はずっと頭を下げている。
そんな少女に困った恭也は少女の後ろにいる男性と女性に助けを求めた。
「エステル、もうその辺にしときなさい。その子を大丈夫って言ってるんだから。」
レナがエステルにそう言うと
「・・・うん。」
エステルはゆっくりと顔を上げた。


「さて、エステルも落ち着いたみたいだから本題にはいろうか。」
エステルとレナ、二人のやり取りを見ていたカシウスが恭也に話し掛ける。
「まずは自己紹介といくか、私はこの家の主のカシウス・ブライトだ。そしてこっちが妻のレナでさっき君を気絶させたのが娘のエステルだ。それで君の名前は?」
「俺は高ま・・いえ、不破恭也といいます。」
あまりに情報が少ない状況では家族に迷惑がかかると思い恭也はあえて不破を名乗った。
「フワ・キョウヤ?随分と不思議な名前だな。」
恭也の名前を聞いたカシウスが首をかしげていると恭也から質問が来た。
「ところでここは一体何処なんですか?」
カシウスが質問に答えようとする前にエステルが質問に答えた。
「えっと、ここはリベールの北東にある都市ロレントでここは私の部屋だよ!」
さっきまでの落ち込みようは何処にいったのかエステルが胸をはって質問に答えた。

「・・・・ロレント?知らないですね、ここは日本じゃないんですか?」
「ニホン?そんな国の名前はこの世界にはないぞ。」
「えっ!?」
カシウスの答えに恭也は耳を疑った。
「日本が無い!!そんな、じゃあ中国もアメリカも無いんですか!」
「さっきから君が言ってる国は存在しないよ、軍人の私が知らない国なのかもしれないけどね。」
「・・・・そんな、じゃあ俺」
あまりの衝撃的な事実に恭也は目にみえて落ち込んでしまっていた。
ここは自分のいた世界ではない、家族が自分が一番守りたいと思った家族はここには存在しない。
この現実は恭也にとってあまりに残酷なものであった。


「うわぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」
突然の咆哮
恭也が自分の立場、そして状況に恐怖を覚え暴れだしたのである。
「マズイ!」
カシウスが急いで後から身体を押さえつけても恭也はそれでももがいていた。
「ここには俺の家族がいない!守ると誓った大事な家族が、絆が俺には無い!!」
恭也の叫びにレナは何も出来ずにただ立っていることしか出来なかった。
急に失ってしまった家族とその絆、レナには計り知れない絶望と恐怖がいま恭也を蝕んでいるのだ。
「うわぁぁぁぁ〜〜〜〜〜!!」
獣のような声、恭也は自身が感じている恐怖と絶望を吼えることでしかぬぐえないでいた。
閉じかけていた傷口は再び開き恭也の身体を真紅に染めていく、それでも恭也は吼えた。
「くっ、仕方ない。」
カシウスは恭也をいったん落ち着かせるために首筋に手刀をうちこもうとしたその時。
「だめ〜〜!」
エステルが血で汚れるのも関係なく恭也に抱きついた。
「駄目だよ、このままじゃ死んじゃう。」
涙目になりながら恭也をとめようとエステルは強く抱きしめる。
「ここには俺の家族はいない!家族のいない世界なら俺は死んだほうがマシだ!!」
「なら私が家族になってあげる!!」
恭也の声を掻き消すようにエステルが叫ぶ。
「家族がいないなら私が家族になってあげる、嬉しい時も悲しい時もずっと傍にいてあげる。だから死なないで!」
エステルの声を聞いた恭也は動きを止めた。
「・・・家族?」
「そう、私があなたの家族になってあげる。だからもう大丈夫だよ。」
エステルが恭也を優しく抱きながら諭すように話し掛ける。
「俺はここにいても良いの?」
小さい声で恭也はエステルに尋ねる。
「うん! だって私たちはもう家族なんだから」
エステルが笑顔で答えると後から声がした。
「そうだ、恭也。お前は今日から私たちの息子だ!かまわないだろレナ。」
「えぇそうね、今日からあなたは私たちの息子よここで新しい絆を作っていけばいいのよ。私たちが手伝ってあげるわ。」
カシウスとレナは恭也を自分達の家族として迎えることを決めた。
どんなに辛く苦しいときも支えあっていける絆を作っていこうとそう心に決めたのだった。

「やった!! なら今日から私たちは家族だね、多分恭也のほうが年上だから兄さんって呼ぶね、これからよろしくね【恭也兄さん】」
その言葉を聞いた瞬間、恭也の目から一筋の涙がこぼれた。

「あれ、なんで涙が?」
「それは嬉しいからよ、だから今は存分に甘えなさい。」
レナが三人のもとに近寄ると包み込むように抱きしめた。
「うっ、うわぁぁぁぁ〜ん」
その瞬間、恭也は泣いた
人目をはばからずに泣いた、大粒の涙が先程までの恐怖と絶望を消すかのようにただただ流れていった。


この瞬間、ロレントの地に新たな絆が生まれた。

エステル・ブライト

カシウス・ブライト

レナ・ブライト

そして不破恭也改め、恭也・F・ブライト

ここに新たな家族の絆が生まれたのであった。


そして10年後・・・。
あらたな物語が動き出す


つづく


あとがき

いやはや、やっと終わった。
プロローグに6話をつかってやっとこさの終了をむかえました。
過去にこんなに時間かかるとなると本編はもっとたいへんだな〜とさりげなく思いますが頑張っていこうと思うんでこれからもヨロシクおねがいします。

追伸

トッピーは俺の心の師匠だ!
メンテ
Re: とらいあんぐるの軌跡 (とらハ×空の軌跡) ( No.7 )
日時: 2008/10/16 12:02
名前: かまんべーる

第一章 父、旅立つ

第一話 とある一家の風景【前編】


地方都市ロレント
そこから少し離れた場所に二階建ての大きな家がある。
一階と二階に大小二つのバルコニー、そして家の裏にわ魚が泳ぐ池が存在する。そして今、その家の煙突からは白い煙と美味しそうな料理の匂いが空に上っていた。


トントントン
台所からリズム良く聞こえる包丁の音
今、リビングには二つの影が存在する。
この家の主であるカシウスの妻であるレナと二人の間に生まれた娘エステルである。

「ねぇ〜、お父さんと兄さんはまだ帰ってこないの?」
椅子に座りながら足をブラブラと揺らしながらエステルは母に尋ねた。
「エステル、その質問はさっきから何度も聞いたわよ。」
料理の手を止めないでレナは先程から何度も聞いたエステルの質問に苦笑いしながら答える。
「お父さんは緊急のギルドからの依頼で少し遅くなるってギルドから連絡がきたし、恭也にいたってはいつもどうり訓練した後に教会で文字の練習をしてるわ。」
「うぅ〜〜〜。」
何度も聞いたレナの答えにエステルは顔を机に付けて唸るしかなかった。

「う〜ん、シェラねぇは修行で王国一周旅行してるし・・・。それに最近は兄さんも修行ばっかでたまにしか遊んでくれないしな〜。」
エステルは最近知り合った姉的存在と最近ちっとも遊んでくれない兄のことをぼやきながら立ち上がり窓の外をみる。

「あー、つまんない。ご飯が出来るまで棒術の練習でもしよっかな。」
エステルが棒術の練習のために行動を起そうとした時、玄関から声がした。

「おーい、今帰ったぞ。」
玄関から聞こえてきた父の声にエステルは急ぎ父の元にむかう。
「おかえり、おとーさん。」
「ただいま、エステル。いい子にお母さんと留守番してたか?」
カシウスの問いにエステルは
「ふふん、あったりまえよ!ちゃんといい子に留守番してたわよ。」
さも当然とばかりにエステルが言い放つその後からレナが声をかけた。
「あらあら、さっきまでお父さんと兄さんはいつ帰ってくるのって言ってたのに。」
「あ〜、お母さんそれは言っちゃダメ〜〜!!」
「あら?そうだったの。」
「そうなの〜〜!!」
エステルは恥ずかしいのか顔を真っ赤にして俯いてしまう。
「そうかそうか、エステルはお父さんと恭也が居なくて寂しかったにか。」
カシウスはエステルの頭を優しく撫でるとレナに方をむく。
「ただいま、レナ。」
「おかえりなさい、あなた。今日は随分と早かったのね緊急のギルドの依頼はどうしたの?」
いくらなんでも早すぎるカシウスの帰宅にレナは疑問の声をあげる。
「それなんだが・・・。」
カシウスは言いづらいのか少し黙った後、話を変えるようにエステルに話し掛ける。
「エステル、今日はお土産を持ってきたぞ。」
その言葉にエステルは真っ赤な顔から嬉しそうな顔になりカシウスを見る。
「え、ホント!?それって釣竿?スニーカ?もしかして棒術の道具とかっ?」
「お前ねぇ、普通女の子だったら服とかアクセサリーじゃないか?」
そういったカシウスにエステルは答えた。
「キレイな服は好きだけど直ぐに汚しちゃうし、アクセサリーも遊んでで壊したらヤだし。」
あまりに女の子らしくない返答にカシウスはレナをみるがレナもエステルの答えに呆れながらも二人同時に呟いた。
「「・・・・・育て方、間違えたか(たかしら)」
「?????」
息の合った二人の言動にエステルは首を傾げるしかなかった。

「そういえば、おとーさん。その大きな毛布、どうしたの?もしかして、それがお土産?」
エステルはさっきからカシウスが持っている大きな毛布が気になってしょうがなかった。
「おっ、鋭いな。」
そう言ってカシウスは大きな毛布を捲る
「よっと・・・・」
毛布を捲るとそこには黒い髪をした少年がいた。
「・・・・・・」
少年は気を失っているのか目を閉じ静かにしていた。
「・・・・・・ふぇ?」
「あらあら」
エステルは目の前の光景に唖然とし、レナも流石に驚いたのか多少微笑ながらカシウスを見た。

余談だがカシウスはその時、微笑ながら自分を見ているレナの絶対零度の微笑みに死を覚悟していた。

「・・・・・・・・・・・・・・」
「まぁ、こういうわけだ。なかなかハンサムな坊主だろ?」
背中に冷や汗をかきながらもカシウスは笑顔せエステルをみる。
「な、な、な、・・・・」
エステルは目の前の光景を理解したのか、わなわなと肩を震わせながら次の瞬間
「なんなのー、この子!!」
大声で絶叫した。


「おい、さすがに声が大きい・・」
カシウスは余りの大声にエステルを注意しようとしたが
「お父さん、一体この子どうしたの!!まさか誘拐!?この子の親から身代金を要求するつもり!!」
「いや、ちが・・」
「はっ!? まさか隠し子!とーさん、お母さんがいるのに他の所で別の女の人との子を産んだの!!」
「いや、だから」
エステルの返答すらさせない言葉の嵐にカシウスはたじたじになりなが、レナに尋ねる。
「おい、なんでエステルがこんな言葉を知ってるんだ。」
「多分、私が読んでる雑誌を読んだからじゃないかしら。」
レナは微笑ながらカシウスに答える。
しかし、ここは夫婦。アイコンタクトで会話をする。
「(あなた、これは一体なんなのか後でちゃんと説明してね。)」
「(わかった、だから今はエステルを止めてくれ。)」
「(しょうがないわね)」
アイコンタクトでの会話を終了させレナはエステルを止めようと行動をおこす。
「エステル、少し落ち着きなさい。そんなに騒ぐとこの子が目を覚ましちゃうわよ。」
「だって・・」

エステルがぐずっているとカシウスの後の玄関が開いた。
「ただいま。」
「兄さん!!」
教会から帰ってきた恭也にエステルは涙を浮かべながら抱きつく。
「どうしたんだエステル?それに父さんも母さんもどうしたんだ?」
あまりに唐突な状態に恭也は状況を聞こうとしても苦笑いしか返ってこない父と母、そして泣いてるエステルに恭也は首を傾げるしかなかった。


後編に続く
メンテ
Re: とらいあんぐるの軌跡 (とらハ×空の軌跡) ( No.8 )
日時: 2008/12/25 14:53
名前: かまんべーる




第一話 とある一家の風景【中編】(執筆途中)




「恭也、お前は今日から女の子として生きろ!!」
「はっ?」

急遽起こった家族会議の席で起こった【カシウス・ブライト】の爆弾発言
一人は突然の発言に時間を止めた。
時間を止めた者の名前は【恭也・F・ブライト】
言わずと知れたこの小説の主人公である、なぜこのような事態に発展したのかというと少し時間を遡ることになる。








「兄さん!!」
教会での読み書きの勉強を終えて帰ってきた恭也に彼の妹である【エステル・ブライト】は体当たりをするかのように抱きついた。
「兄さん兄さん兄さん・・・。」
「一体なにがあったんだ?」
急な展開についていけない恭也は自身の腕の中で泣いている妹の頭を優しく撫でながらも状況を聞こうと椅子に座っている父に何があったのか尋ねることにした。

「父さん、一体何があったんだ?」
多分今回の元凶であろう父親に尋ねてみたが。
「・・・・・・・・・・・・ははは。」
笑って誤魔化された。
しょうがないので恭也は母である【レナ・ブライト】に尋ねることにした。
「母さん、一体何があったんだ?どうしてエステルが泣いてるんだ?」
するとレナは苦笑いしながらも恭也に答えた
「えっとね、実は・・・・・・。」





「父さんが悪い!」
恭也は母から聞いた状況を整理して結論を言った。
「確かにエステルの勘違いかもしれないが父さんも父さんだ、なんでこんな大人気ないことをするんだ!エステルじゃなくても大半の子供は混乱して泣くのは判ってるだろうに。」

「す、すまん。」
流石に悪かったと思ったカシウスは息子に何も言い返すことも出来ずにただ謝るしか出来ないでいた。
「全く父さんは、いつもいつも・・・・」
恭也は日頃のカシウスの奇行の数々を今がチャンスとばかりに説教をし始める。
恭也の説教に流石のカシウスも反省をしているのかどんどん小さくなっていき傍で見ているレナは苦笑いをするしかなく、さっきまで泣いていたエステルに関しては泣くのを止めて説教を聴いてるのにも飽きたのか父の部屋で寝ている男の子の様子を見に行ってしまう始末である。


「恭也、お父さんも反省してるんだからもうそこらへんで許してあげなさい。」
流石に可愛そうになったのかレナは恭也の説教を止めることにした。
「・・・そうだな、流石の父さんも懲りただろうしね。もうこんな悪ふざけはしないよね父さん。」
椅子に座るカシウスは首を勢い良く上下に動かし反省をしたとジェスチャーをしたのを見た恭也は説教を止めた。



「それで父さん、父さんが拾ってきた子は一体何者なの?」
恭也は少しやつれ気味のカシウスに改めて質問をする。
「いやだからひろっ「父さんはまだ説教されたいの?」・・・すいません」
恭也の爽やかな笑顔にカシウスは顔をひきつらしながら答えた。
「実はな・・・あの子に襲撃をされたんだ。」
先程とは違い真剣な表情の父に恭也は息を飲んだ。
「襲われたって、いったいどうして狙われたんだ?」
「解らん、ただ今の時点で解るのは標的は間違いなくお前だ。」
「なっ!?」
自分が標的であったことに驚愕した恭也は戦慄した。

「なんで俺なんだ!!俺には何の得になるような情報はもってないじゃないか!!」
「落ち着け恭也。」
まさか自分が標的だと思わなかった恭也は声を荒げたがカシウスが落ち着くように諭すとしぶしぶながらも静かになった。
「俺も襲われた時は驚いたが確かに狙いは俺とお前だった、俺を狙う理由は予想がつくがお前に関しては全く解らない。」
そこで会話がすこし途絶えた、あるのは重い沈黙のみだった。


「ちょっと質問していいかしら?」
沈黙のなかに音が生まれた、それは先程まで二人の会話に入っていなかったレナからの唐突なものであった。
「んっ、どうかしたか?」
レナの質問にカシウスは顔を妻のほうに向ける。
「さっきから気になってたんだけど貴方はあの子に襲われたって言ったでしょ?あんな子供にそんなことが出来るのか疑問なんだけど?」
レナの当り前のような質問にカシウスは神妙な顔で答えた。

「はっきり言ってしまえば可能だ。暗殺などに関しては大人よりも子供のほうが適しているんだ、理由としては警戒されにくいということが挙げられるな。」
「警戒されにくい?」
「そうだ、例えばエステルが家に突然大人を連れてきたら警戒するだろ?」
「えぇ」
「それは何か起こった時に対処できることが少ないからだ。逆に子供になるとまだ小さいから何も出来ないだろうと思ってしまい警戒心が薄れてしまう。
そうすればスキが出来てしまい容易に殺されてしまう。」
「・・・そんな。」
あまりにも現実からかけ離れた状態にレナは息をのんだ。


「だからこそ、私たち遊撃士や軍の人間がそのような子供達を生まないために頑張っていくしかないだ。」
一通りレナの質問に答えたカシウスは締めくくるように言葉をつげた。





「それで、これからどうするんだ父さん?」
「ん?なにをだ?」
レナの疑問に答えたカシウスに恭也が今後のことを尋ねた。
「だから、父さんを襲った子をどうするか聞いてるんだよ。」
「あぁ、それについてはな・・・家で保護しようと思う。」
「・・・・・は?」
カシウスの発言に恭也はとまどった。
「な、何を言ってるんだ父さん!?あの子は父さんを襲った襲撃者だよ!」
「だが、まだ子供だ。まだあの子には明るい道に戻ることができる。」
「それはそうだけど・・・。」
まだ多少納得のできない恭也は食いつこうとしたがカシウスの一言に折れることになる。

「俺はな、あの子のことをエステルに任せようと思うんだ。」
「な!?」
襲撃者をエステルに任せる、その発言に恭也は驚いた。
「父さん、一体なに「まぁ〜話は最後まで聞け。」・・わかった。」
恭也が反論しようとしたがカシウスの言葉を最後まで聞くことにした。


「あの子は今な死と隣り合わせの状態にいるんだ。」
「死と隣り合わせ?」
言葉の意味を理解できないレナは疑問を声に出し聞くが恭也は理解しているのか黙ってきいていた。
「組織ってのはなレナ、任務に失敗するということは死を意味している。すなわちあの子は組織に戻ったら消されてしまう可能性があるんだ。」
「そっ、そんな。」
組織の非情な現実にレナは絶句し言葉を失うしかなかった。
「だから、あの子はここで保護をして育てていきたいんだ。そして暗く汚れた世界からあの子を光溢れる世界に戻してやりたいんだ。」
カシウスの考えを理解した恭也だが1つの疑問を父であるカシウスに尋ねた。

「父さんの考えはわかったけど、どうしてエステルに任せようと思うんだ。」
「それはな、あの子の心はいまとてつもない闇が覆っている。任務に失敗したことによる死、そして組織に見放されたという絶望。それが今のあのこの状態だ。」
「・・・・」
恭也とレナは黙ってカシウスの言葉を待つ。

メンテ

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