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第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪
日時: 2008/01/11 12:37
名前: 綾音

恐れ多くもやってきました第2回万魔殿企画。
万魔殿では幾多のキワモノが本日も喧々諤々とむさ苦しく語り合っております。

まずは、氷瀬 浩様優勝おめでとうございます。

ルールは簡単。各自がお題に沿って書いた話を、読者の方々に『どれが一番いいか』を決めて投票して頂きたい訳です。

ちなみにこの企画は誰でも参加して頂いて結構です。むしろ書いてくださると嬉しく思います。
作者である私たちからすれば、描写などの練習や刺激になりますので。
ちょっとやってみようかな、と難しく考えずに気軽にご参加を!

最後に。万魔殿メンバーはできる限り書くように!(笑

注意して頂きたいことについて。
※1.御題のリクエストはしない
※2.投稿はお一人様は1つに限ります。
※3.1位に選ばれた人が次の御題を決める。
※4.期限は提案日から1週間(主催が明記)
※5.お題に沿った、一番よいと思えるシーンを3000文字以内で書くこと
※6.編集OKです。パスワードの設定を忘れずに
※7.感想・投票は感想スレッドに

ということで、今回優勝者氷瀬 浩様から頂きました御題はすばり!

『雪』

抽象過ぎて何書けばいいかわかんねぇぜコンチクショウ
……なんて言わずに、皆様奮ってご参加ください。

この御題の投稿可能期間は1月17日までです!

このスレッドは、FLANKER様所有のメイド綾音がお送りしました♪
メンテ

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Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.1 )
日時: 2008/01/11 13:50
名前: 氷瀬 浩


家の中から窓越しに外を眺め、なのはは感嘆したような声を上げる。
薄暗い空模様も今日ばかりは気にもならないのか、まるで晴れた日のように顔を輝かせている。
しんしんと静かに降る雪に、もう我慢できないとばかりに庭に出る。
その後に続くように子狐の久遠も庭へと降り立ち、二人して降り積もる銀世界を走り回る。
かなり勢いも衰え、これぐらいならば外で遊んでも大丈夫だろうと恭也は特に何も言わずに二人を見遣る。
午前中は激しく降り、外で遊ぶのを我慢していたなのはは早速積もった雪をかき集め出す。

「くーちゃん、雪だるま作ろう♪」

「くぅ〜ん。……雪だるま?」

なのはの言葉に子供の姿になって首を傾げる久遠に、なのはは小さな掌サイズの雪だるまを作って見せる。

「こういうのだよ。これのもっと大きいのを一緒に作ろう」

楽しそうに告げるなのはへと久遠もまた笑顔で答え、二人は雪を丸め始める。
縁側で微笑ましく見守る恭也と美由希の隣を、二つの影が勢いよく駆け抜けて庭へと降り立つ。

「喰らいやがれ!」

庭に降り立った二つの影のうち、一つは降り立つなり手に掴んで丸めた雪玉を投げる。

「おほほほ、甘いでお猿」

あっさりとそれを躱し、反撃するのはレン。
反撃として投げられた雪玉をまともに顔で受けてしまい、ぺっぺと雪を口から吐き出しているのは晶である。

「やりやがったなー!」

「やったがどうした。ほれほれ、油断してるとまだまだ行くでー」

怒りも顕わに睨み付ける晶に対し、レンは軽く受け流すと話している間にも作っていた雪玉を晶へと投げつけていく。

「こんな雪玉の一つや二つ!」

言って飛んでくる雪玉を拳で壊す晶。
レンの雪玉がなくなるやいなや、今度は反撃とばかりに大きめの雪玉を作り投げる。
こちらは晶とは違い、上手く足を使って避けるレン。
互いに言い合いながらも楽しそうに雪合戦をする二人に、なのはも喧嘩ではないからと雪だるま作りに所為を出す。

「しかし、子供たちは元気だよね。流石は風の子」

「何を年寄りじみた事を言ってるんだ。
 お前も混じってきたらどうだ」

美由希の言葉に苦笑を見せて告げる恭也に、美由希は首を縮めて横に振る。

「寒くて、とてもとても。私にはそこまでの元気はないよ」

ドテラでも出そうかなと呟く美由希へとなのはたちから誘いの声が掛かる。
妹たちの提案に少し考え、少しだけとやっはり雪が降って少しワクワクしていたのか庭へと降りる美由希。
雪合戦には加わらず、庭の隅で雪を集めて何かを作る。

「お姉ちゃん、何作ってるの?」

雪だるま作りの手を休め、興味津々に手元を覗き込んでくるなのはと久遠に美由希は自分の作ったものを見せてあげる。

「雪うさぎだよ」

小さな声を上げ、作り方を聞いてくる二人に教えてやり、美由希は次は何を作ろうかと考える。
その背中に向かって異様に鋭い雪玉が飛ぶ。
それを察して振り向きざまに手で叩き落せば、いつの間にか庭に下りた恭也が意地悪した時の笑みを見せている。

「うん、なかなか良い反応だ。これなら石でも入れておくべきだったか」

「入れないでお願いだから。まったく恭ちゃんは。
 なのはに当たったらどうするのよ」

「そんなヘマなどせん。それに、その時はお前が盾になってでも受け止めろ」

「命令なの!?」

文句を言いつつも笑顔で立ち上がる美由希に、恭也は二つのものを投げる。
思わず受け止めた美由希は、それがよく使う小太刀サイズの木刀だと気付いて首を傾げる。

「えっと?」

「思ったよりも深く積もっているみたいだからな。
 丁度良い、雪の上での戦闘訓練だ」

「あ、やっぱり。でも、今まで雪の上での戦い方は数えるほどしかしてないものね」

恭也の言葉に何処か楽しそうに木刀を構える美由希。
二人はなのはたちの邪魔にならないように道場近くまで場所を移し、早速鍛錬を始める。
そんな二人を呆れたように見遣りつつ、なのはは作り終えた雪うさぎを満足そうに見ると、
途中にしたままの雪だるま作りへと戻るのであった。



一時間近く遊んだなのはたちは、流石に寒くなり身体を震わせる。
恭也たちも切り上げたのか、縁側へと戻ってくる。

「お兄ちゃん、雪だるまの頭をつけて」

戻ってきた恭也へとすぐさまお願いをするなのは。
なのはの指差す先を見れば、なのはの身長の半分よりも少し大きな雪玉が二つ。
久遠を二人で転がしている内に楽しくなり、ついつい大きくし過ぎたらしい。
雪だるまの頭部を抱え、もう一つの大きい方の雪玉の上に乗せてやるとなのはと久遠は雪だるまの顔を作り出す。
それに美由希たちも加わる、数分で雪だるまはようやく完成する。
すっかり冷え切った身体を温めようと家の中へと上がれば、鼻に良い匂いが漂ってくる。

「あははは、皆楽しんでたね。声が聞こえてたよ。
 はい、冷えたでしょう。これで身体を温めてね」

見計らったように盆を持ってフェイアッセが縁側に姿を見せる。

「善哉か」

「そうだよ。後、甘酒も用意したから」

皆が遊んでいる間に、台所で作っていたらしい。
フェイアッセから盆を受け取り、恭也は美由希たちにそれを配っていく。
縁側には暖房器具の他に人数分の座布団までいつの間にか用意されており、各々それに腰を下ろす。

「大きな雪だるまを作ったね」

「くーちゃんと二人で作ったんだよね〜」

「くぅーん」

フィアッセの声に嬉しそうになのはが、久遠も甘酒を飲みながらも楽しそうに答える。

「そう言えば昔、恭也や美由希と一緒にかまくらを作ったよね」

「そう言えば作ったな」

「うんうん。で、恭ちゃんが一人で入っているときに士郎父さんが……」

「そうそう、士郎が叩いて壊しちゃったんだよね。
 それで恭也が雪に埋まって」

「本当にろくな事をしないな」

恭也もまた思い出したのか、そう口にしつつもその目はとても優しく。

「懐かしいね」

「ああ」

フィアッセは恭也の肩にそっと頭を乗せて白く染まった庭を見る。
逆の隣では美由希も同じように懐かしそうな顔で、恭也の手に自らの手を重ねる。
また降り出し始めた雪を眺めながら、穏やかな時間は流れて行く。



おわり
メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.2 )
日時: 2008/01/11 19:09
名前: 幻龍

うっすらとした曇り空から白く綺麗な結晶が、まっていた
正反対である黒と白が風景を鮮やかに色づける
たまたま、この時間帯は車の行き来がなく
静けさが、鮮やかな光景を神秘的な物へと変えていた
三十分も持たないだろう時の中に、運よく恭也とフェイトは出会うことができた

「恭也さん! 恭也さん! これが雪なんですよね」

雪と言う知識はあっても見たことがなかったフェイトは珍しくはしゃいでいた
そんなフェイトを見て、恭也は、こちらも珍しく笑顔で暖かい視線を送っていた

「ああ、そうだ」

言葉は短いが、恭也もまた雪に感動していた
幼い頃は、武者修行のため、士郎が倒れてからは余裕が無くて、ゆっくりと雪を見たことはなかったのだ

「綺麗……」

一粒の雪を手のひらで優しく受け止める
だが、手のひらの温度で直に水になってしまい、少し残念そうにするが直に戻った
すると、何故か小走りで走り始めた

「恭也さん」

そして、恭也の前に出ると振り返る
まるで、そこだけスポットライトが当たっているかのような存在感を放つ
恭也は、一瞬フェイトの顔に見惚れるが軽く頭をふり先の言葉を促す

「これからも、その……一緒にいてくれますか?」

段々、声が小さくなっていったが恭也の耳にはバッチリ届いていた

「ああ。当たり前だろ」

だが、質問の正確な意味は届いていなかった
それでもフェイトは嬉しかったのかニッコリと笑う

「ッ!?」

何故か恭也は、その笑顔が雪と同様に儚く消えてしまうかのように感じた
理屈じゃなく、第六感がそう囁くのだ

「恭也さ……」

恭也の体は脳の命令なくして勝手に動いた
突然近づいてきたことに混乱しているフェイトを優しく、でもしっかりと抱きしめる

「ふぇ?」

フェイトは、状況が理解できず、可愛らしい声をあげた
そして、ゆっくりと横を向く
当然、そこには恭也の顔があるわけだ
フェイトは、頬が赤くなっていくのを感じながらも心地よい居心地に身をゆだねる

「フェイト」

「ひゃい!?」

耳元で囁かれ、頬だけでなく顔全体を真っ赤にする
既に、手足はガチンゴチンに固まっている
好きな人に、しかもこういう経験がないため仕方がない
だが……

「フェイトはフェイトだ。笑ったり、泣いたり、怒ったり、そう感じれるのだから。
例え、出生が特別だろうと与えられた唯一無二の命だ」

全身を縛っていた気持ちが全て無くなった
フェイトは、腕を持ち上げると抱きつくように恭也の背中に回す
今まで溜めてきた感情のダムが崩壊し、両目から涙が流れ出る
そんなフェイトを恭也は慈愛に満ちた表情をし、もう一度強く抱きしめた
恭也の胸元で、声を潜めて嗚咽を漏らす
辛かっただろう、悲しかっただろう、恭也はそう思いながら優しく頭を撫でる

「…………恭也さん、一回だけわがまま言っていいですか?」

少しすると落ち着いたのか顔を合わせお願いする
もちろん、断る気なんてサラサラ無いため頷く

「じゃあ、眼を瞑ってください」

理由はわからなかったが、恭也は素直に眼を瞑る
フェイトは、自分に言い聞かせるように何か呟いた後、顔を近づける
二人の距離が5cm、3cm、1cmと近づき、そして0になる

「ん!? フェイト!?」

恭也は、唇に何かが当たるのを感じ眼を見開く
その眼には、目の前で、フラフラとふらつくフェイトが映った
どこかの酔っ払いのようだが、意外にも眼には力があった

「恭也さん……。私、もう大丈夫です」

足並みも揃い先ほどまでの儚い様子は消えていた
だが、恭也と眼が合うとプシューと機械が出すような音をあげて倒れた

「ハァ……。やれやれだ」

恭也は、フェイトを起こそうとするが完璧に気絶していることがわかると持ち上げた
俗に言うお姫様抱っこをしながら家へと帰るため足を動かす
しかし、数歩歩いたところで違和感を感じ空を見上げる
すると、曇り空の隙間から柔らかな太陽の光が現れた

「冬が、雪が終わるんだな」

たった一日だけの、ある二人のための雪が役目を終え、その姿を潜める…………また来年、二人が一緒にいることを願って




〜fin〜
メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.3 )
日時: 2008/01/14 00:37
名前: クレ

ゆっくりと。
隣の彼女のペースに合わせて一色に染まった景色で視界をいっぱいにしながら歩いていく。
吐く息は白く、見慣れたはずの街並みは一変していた。
さくさくと聞きなれない音に若干の新鮮さを感じながら、なんとなし気に彼女の横顔へと目を遣った。

彼女はとても楽しそうだった。

確かに、毎年であるにもかかわらずこの時期には思わず新鮮さを感じることはある。
でもやはり別段そこまで珍しいものがそこあるわけじゃない。毎年この時期になればごくごく自然に見られる風景だ。
それでも、彼女はとても楽しそうに笑みを浮かべながら寄り添い歩いている。
なんでそんなに楽しそうなんだ? と聞きたくなったが……やめておいた。
きっと「楽しいから」とか「一緒にいられるから」とか。彼女は何の臆面もなく言ってのけるだろうことがはっきりと脳裏に浮かんだから。
特に後者の方は困る。俺は、その……そういう直球で言われることに慣れていないのだ。
彼女の場合それを知っている上であえて言うのだからほんとうに人が悪い。……悪い気は当然、しないのだけれど。
――と。ふいに右腕に掛かる、かすかな重みと温もり。

「……なにを」

「ふふ。なんだか寒そうだなあって思ったから」

若干強めた視線で見ても彼女はニコニコと微笑むばかり。こうなった彼女に勝ち目がないのはもう十分にわかっている。
だからせめてもの仕返しにとこれ見よがしに大きく溜め息をつくとともに、俺を見て満足気に笑う彼女の不意を付く形で華奢なその肩を抱き寄せた。
その際に一瞬だけ彼女の全身が震えたが次の瞬間には頬を薄紅に染め、やはり嬉しそうに身体を俺に預けた。
コート越しからでも感じられる暖かさが、彼女にも伝わっているのだろうと思うと恥ずかしくはある。
……鼓動まで伝わっていませんように。



――まあ、本当のところ。


仕返しというのは建前で、俺自身どうしてか。
こうしたかったという、ただそれだけだったのだけれど。









そうして俺達はまた歩き出した。

風に流された彼女の金の髪が、周囲の白と相俟って陽が出ているわけでもないのにまるでほんとうに輝いているかのよう。

いつのまにか真っ白に染まっていた自分達の姿に、いまごろ気付いて苦笑い。

無言の言葉の遣り取りを経て俺と彼女は帰路についた。

ただ、そこに寒さから逃げ出すような性急さは無い。

服越しに感じとれるお互いの熱を、もう少し感じていたい。

そんな事を思いながら俺と彼女は冬の街を後にした。





★誰と誰かはご想像におまかせ。
メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.4 )
日時: 2008/01/12 02:55
名前: T.S

注:このお話は私の書いているSS、『魔法少女リリカルなのはB.N』を元にしています。



「は〜……今年も一杯積もったね〜」

「ふむ、そうだな……」

一面雪で真っ白な庭の中央にて、対照的なほど真っ黒な青年―恭也の姿があった。
そしてその横には普通の人間と比べると遥かに小さな、小人と呼べる少女―リースが立っている。
ちなみにだが、本来ここにいるはずのもう一人は現在、家中のコタツ内部で丸くなっていたりする。

「ねえねえ、恭也〜。 雪だるま作って〜」

「別に構わんが……自分では作らないのか?」

「む〜、だって私が作ると小さいもん……その点、恭也なら大きい雪だるまが作れるでしょ?」

強請るように見上げてくるリースに恭也は苦笑を浮かべてわかったと呟き、しゃがみこんで雪を両手で掬う。
軽く掬ったためか手に乗る雪は大した量ではないが、リースの体からするとそれでも十分な大きさが作れる。
故に恭也は掬った雪を丸く固めて地面に置き、同じ容量でもう一度雪玉を作ってその上に重ねるように置いた。

「わぁ〜い、雪だるま〜♪」

簡易な雪だるまではあるが、それでもリースは目を輝かせてそれにペタペタと触れる。
そんなリースの楽しそうな様子を微笑ましげに見続ける中、玄関方面から二つの気配がし、同時に聞き覚えのある声が聞こえてきた。
その気配と声に恭也は首を傾げつつも、リースに断りをいれて玄関方面へと向かっていった。





「あ……こんにちは、恭也さん」

「やっぱりフェイトだったか……」

「シェリスもいるよ〜♪」

玄関先に立つフェイトの姿しかないにも関わらず聞こえてくるもう一つの声。
しかし恭也はその声に驚きを浮かべることはなく、ただ苦笑を浮かべてフェイトの頭上を見る。
するとそこにはよく見ないと分からないながらも、金髪の頭に隠れるように僅かな蒼髪の小さな頭があった。
その頭を発見して数秒経たず、ピョコッとフェイトの頭から生えてくるかの如く、それが姿を表した。

「ああ、シェリスもよく来たな……今日は、リースに会いに来たのか?」

「うん! それで恭也お兄ちゃん……お姉ちゃんはどこにいるの?」

「リースなら庭で遊んでるぞ」

恭也がそう答えると、リースと同じサイズのその少女―シェリスは小さく頷いて庭へと向かっていった。
そのシェリスの後姿を微笑ましげにフェイトと見た後、恭也はフェイトへと向き直って再度口を開いた。

「フェイトは……なのはに会いにきたのか? だとしたら悪いんだが――」

「い、いえ、違います! きょ、今日は、その……」

声を若干大にして言葉を否定し、頬を染めて俯いてしまうフェイト。
それに恭也は少し呆気に取られるも、フェイトが言葉の続きを口にするのを待つことにした。
だが、フェイトは頬を染めて俯くばかりで、一向に言葉の続きを口に出来ないでいた。
本来ならフェイトが言葉の続きを口にするのをこのまま待つべきだが、如何せん今は雪が積もるほど外が寒い。
そのため、恭也はフェイトの訪問理由を聞くことを中断し、一先ず家の中へと入るように言うため口を開くが……

「うわぁぁぁぁぁん、お姉ちゃんの馬鹿〜!!」

発しようとした言葉を遮るように、庭へと向かったシェリスの声が玄関まで聞こえてくる。
さすがにその声には何事かと思ったフェイトは、恭也と顔を見合わせるとすぐさま庭へと駆けていった。
そしてすぐさま駆けつけた庭の一角にて広がっていた光景に、二人はしばし言葉を失った。

「ぜ〜ったい許さないんだから! 馬鹿シェリスなんかあっち行っちゃえ!」

「シェリス悪くないも〜ん、うああぁぁぁん!!」

庭にて繰り広げられていた光景……それは、リースとシェリスの姉妹喧嘩だった。
姉妹仲のいい二人を普段見ている故か、その光景にはさすがの恭也とフェイトも驚きを隠せない。
だが、信じられないことではあるが、現実にリースは雪玉をシェリスに向けて作っては投げてを繰り返していた。
それに対してシェリスは反撃をすることもなく、ただ泣きじゃくりながら投げつけられる雪玉を身に受けていた。
その光景に、二人は我に返りつつも状況が分からず、とりあえず喧嘩を止めるべく歩み寄ってリースとシェリスを互いに抱き上げた。

「シェリス、一体どうしたの? どうしてお姉ちゃんと喧嘩をしてるの?」

「ひっく……っ…ひっく……シェリス、悪くないもん。 お姉ちゃんが、悪いんだもん……ひっく」

抱き上げたシェリスに顔を向け、優しい声で喧嘩の理由を問う。
しかし、理由を聞いてもシェリスは泣きじゃくるばかりで、説明も一向に要領を得ない。
故に困り果てたフェイトは恭也へと視線を向け、対する恭也はその視線の意図を読み取って頷いた。

「リース……どうしてシェリスと喧嘩をしてたんだ? いつもお前たちは仲良しのはずだろう?」

「むぅ……リースだって悪くないもん。 シェリスが雪だるまを壊すのが悪いんだもん」

「雪だるま? それは、さっき作ってやった雪だるまのことか?」

その問いにリースが頷いて肯定を示したことに、二人は喧嘩の原因を理解した。
恭也の作った雪だるまを何かしらの不注意でシェリスが壊してしまい、それにリースが激怒してしまった。
しかし怒るリースに対して、不注意で壊してしまった故に自分の非を認めないシェリスを見て怒りが増し、今に至ったのだろう。
その理由を理解すると同時に悪いと思いながらも苦笑を浮かべる二人は、仲直りできるように二人を落ち着かせるのだった。





数分後、落ち着きを見せた二人のお願いで、恭也とフェイトは雪だるまを作っていた。
今度は二人の不注意程度では壊れぬよう、先ほど以上に大きな雪だるまを作っていく。
そして作成からしばらくして、完成した雪だるまがリースとシェリスの目の前に聳え立つことになった。

「わぁ〜……今度はおっきい雪だるまだ〜♪」

「雪だるま〜♪」

先ほどの雪だるまとは違い、何倍も大きい雪だるまに二人ははしゃぎつつ周りを飛び回る。
その光景に製作者の二人は微笑ましく見ながら、冷たくなった手を擦り合わせていた。
そのとき、隣で手を擦り合わせる恭也に何を思ったのか、フェイトは前へと歩み寄ってその手を両手で包み込む。

「……フェイト?」

「え、えっと……手が冷たい人には、こうしてあげるといいって聞いて……その…」

「そうか……ありがとう、フェイト」

一緒に雪だるまを作っていたのだから、フェイトとて同じぐらい手が冷たいはずだ。
だが、それでも恭也は小さな手に包まれる自身の手に温もりを感じ、僅かに微笑んでお礼を口にする。
お礼を言われたフェイトはその言葉故か、それとも恭也の笑み故か……どちらかは分からないが、頬を赤く染める。
そんなフェイトの様子に恭也は不思議そうに首を傾げるも聞くことはなく、思い出したかのように別のことを尋ねる。

「そういえば聞きそびれてたんだが……結局、フェイトはどうして今日うちに来たんだ?」

「え、あ、その……それは……」

再び聞かれて更に頬を赤くし、玄関先のときと同様に俯いてしまう。
しかし、今度は先ほどと違ってすぐに顔を上げ、恭也の顔をしっかりと見つつ……

「しぇ、シェリスの……付き添い、です」

再び頬を赤くして俯き、消え入りそうな声でそう言った。
そして口にされたその理由は別段おかしなものではないため、恭也も簡単に納得してしまう。
故に結局この日も、フェイトは自分の気持ちを伝えることは出来なかったのだった……。
メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.5 )
日時: 2008/01/12 18:58
名前: 遊び人

『雪風』



「きゃっ」

 寒くなってきた今日この頃。そして、風も強くなってきて、日に日に寒さを実感する。
 朝という時間もだんだんと気温が下がってると分かる。

「大丈夫ですか?」

 その日は朝から冷たい日で、昨日降った雨が地面で凍っていた。だから、誰かがこけることはあるのだろう。車がスリップするなどもありえるかもしれない。
 俺は急に倒れてきた女性を抱えていた。

「ありがとうございます、って、あれ? 高町くん」
「藤代さんか。お久しぶりだな」
「そうだね。卒業以来だから、もうすぐ一年くらいかな」
「ああ。それくらいだ」

 藤代さんは赤星と同じ剣道部に所属していた。女性の方の部長であるのは確かだ。

「今日は寒いね〜。今は通学?」
「ああ。藤代さんもか?」
「うん。まぁ、朝の一限目だからね」
「確か、○×大学だったと思うのだが」
「そうだよ。高町くんも一緒じゃなかったっけ?」
「ああ」

 お互い会うのは本当に卒業式以来だが、こうやって同じ母校を持つと話すことはあるのだ。赤星とも会わなくなったが、会ったら話すだろう。
 バス通学なので、そのまま一緒にバスに乗る。朝の通学通勤時間帯なので、混んではいる。

「わっ」

 藤代さんが声を出して、驚いていた。俺は藤代さんが見ているほうを見ると、今日は寒いというのがよく分かった。

「雪だな」
「曇ってたけど大丈夫と思って傘忘れちゃったよ」
「ついでだ。俺は傘を持ってるし入れていこう」
「ありがとう」

 藤代さんと外を見ていると、バスから見る雪と町並みは何時もの町並みとは違ったように写る。

「高町くんと登校って始めてだよね?」
「ああ。そうだな。俺も普段は一人だし」
「じゃ、今度からあったら声かけるよ」
「ぼーっとしてると思うがな」
「あはは」
「そういえば、剣道は?」
「うん? してるよ。放課後にしかしてないけどね」
「そうか」
「ま、朝に出会ったら声かけあおうよ。挨拶くらいだけでも良いし。私たちの大学って結構通ってるけど、会わないんだよね。そっちに驚いたよ」
「学部が違うだけで、教室や棟が変わるからな。そのせいだろう」
「そうだね」

 大学前のバス停で下りると、傘を広げる。幾人かは走って行ってるところを見ると、傘を忘れたらしい。
 藤代さんを入れて、歩いていく。

「黒い大きい傘だね」
「まぁ、荷物持ってると便利なんだ。雨の日とかも濡れないし」
「そうだね。でも、雪綺麗だね」

 大学のキャンパスの中を白く染め上げていこうとする雪。そして、ところどころで見え隠れする緑色や黒色などたくさんの色。確かに綺麗だ。
 普段は感じる事の無い感動、違う一面を見せ付けられてるように感じる。昔は雪をたくさん見た。
 父さんと一緒に居て、雪に助けられたり、雪で死に掛けたりした。だけど、綺麗だとは思わなかった。
 ただ、今は綺麗だと思える。

「ほらほら、高町くん、結晶」

 手袋をはめて取ったのか、綺麗に見える六角形の結晶はすぐに溶ける。

「う〜ん、やっぱり難しいね」
「そういえば、雪は華にも例えられてたんだった」
「そうなの?」
「ああ。六華(りっか)というらしい。俺も親戚の人から聞いただけだが、今なら納得が行くな。結晶があの形だし」
「そうだね。じゃあ、私こっちだし、走っていくよ」
「気にしないでも良いのに」
「良いの。じゃあ、またね〜」

 藤代さんは雪の中へと身体を出して走っていった。元気だな。犬みたいだと言ったら失礼かもしれない。でも、元気に走り回ると考えると犬だ。
 さて、雪見は終えて、講義頑張ろう。多分寝てしまうだろうけど。

「静馬叔父さんが教えてくれたんだよな」

 白く吐き出された息は空中で消える。今日は寒いな。隣の人が居ないだけで、こんなに変わるものなのだと分かる。
 温かい教室でのんびりと景色を堪能できるかもしれない。また違った景色を見せてもらえると確信して、俺は教室へと歩いていく。




 雪は結局、午前の間でやんでしまい、その後、雨になって溶けて消えていった。
 儚くも美しい幻想は終わりを迎えたのだ。
 ただ、人に寒さと暖かさを伝えて……

「高町く〜ん、もう一回入れて〜」

 帰り道で藤代さんを拾った。なんとも不思議な縁だ。
メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.6 )
日時: 2008/01/13 12:52
名前: enna  <mikami_misato@msn.com>

はじめに。
この話は、私の作品の「鴉」の短編として書かれています。

萌え、は無いかもしれませんが……まあ、お楽しみくださいませw

では、以下本編です。









「……ん……」

ふと、夜中に目が覚める。
そのまま再び寝入ることも出来ず、やむを得ず身を起こす。
そして何気なく窓に視線を巡らせた時、彼女は目が覚めた理由を知った。

「雪、か。通りで冷え込む訳だ……」

そう。窓の外には、漆黒の闇夜を照らすように、真っ白な雪が降り積もっていた。
思わず彼女は窓を開け、その光景に魅入ってしまう。




――――否。




魅入っていたのは、果たしてその光景なのだろうか?

彼女の瞳はその光景を見つめながらも、何処か遠くを懐かしむかのような――そんな様子を見せていた。

(静馬さん、美由希……)

思い起こすのは最愛の夫と、娘。かつてまだ夫が生きていた時に、娘と三人で見た雪の事。

(ああ、あの時は確か――)

初めて見た雪に美由希がはしゃぎ、夫と二人でその光景を微笑ましく見つめていた。
そのうち、美由希が雪だるまを作りたいと言い出して……

(……結局、三人ではしゃぎながら作ったっけ)

思わず笑みが零れる。
それは、彼女の中で大切に白く輝く、本当に大事な宝物。








――ああ、けれど。








雪は、同時にもう一つの出来事を思い出させてしまう。

それは、雪の白に拡がる、紅。
自らが数多刈り取った命の中で、特に印象に残っている、彼女の中で苦く、重い――まるで疵のように彼女を穿つ、そんな出来事。

確かに彼女はその者を殺したのだろう。自らが生きる為に、そして彼女の目的の為に。

けれど、それでも彼女はその者を助けたかった。
偽善と言われようと、その場しのぎと言われようと、彼女は助けたかったのだ。

でも結局は、彼女はその者を助ける事は出来なくて。

(ありが、とう……)

それでもその者は、穏やかに微笑みを浮かべて逝った。
その者の為に怒り、悲しんだ彼女に心から感謝して。

あの時以来、彼女の中には小さな迷いが生まれていた。

自分の進む道は、あんな命すら奪ってでも行くべき場所なのかと。

あの時より以前までは、そんな事など考えなかった。
ただ、自分の目的の為だけに、目の前に出来た道を走り抜ければよかっただけなのだから。

その道を阻むモノには、ただ刃を突き立てて「どかせ」ばいい。
今までは、ただそれだけで事足りた。

けれど、今は僅かながら躊躇いが生まれてしまっている。

あんな、ただ外道に利用されていただけの命すら自分が刈り取ってしまったというその事実が、ただ重い。

今まで気にもならなかった筈の、両手に染み付いた血の匂いすら鼻に付く。

「…………」

そして気付けば――無意識のうちに彼女は両手を窓の外に出し、掌を上に向けて、雪を受け止めていた。




――まるでそれが、雪に救いを求めているかの様で――




「クッ――」

……何だ、それは。
今更、何を雪に救ってもらいたいと言うのだ!?

「ハ、ハハハハハ、アハハハハハハハハハハハ――」

……馬鹿にするな。
巫山戯てくれるな、「御神美沙斗」!!
今更、貴様は「ニンゲン」であるつもりか!!?

「ハハハハ、ハハハハハハ、アハハハハハハハハ!!」

既に此の身は「ニンゲン」に非ず。

無念の内に死んで逝った一族の皆の為に「華」を捧げる、ただそれだけの「モノ」でいい。

我が名は「鴉」。死と共に在る、死の使い。

「……今は、ただそれだけでいい……」

彼女は自分に言い聞かせるように小さく呟く。
その言葉が無ければ自分を保てない、とでも言うかのように、その言葉は必死だった。

そして、彼女は部屋の窓を閉め、再び眠りにつく。
まるで、迷いを振り払うかのように。








――ああ、けれど。
私は、決して忘れない。
あの少女の「アリガトウ」を。

そして、少女の死を無駄にしない為にも、私はきっと止まらない。







――そう。私はきっと、止まれないのだ――
メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.11 )
日時: 2008/01/13 22:26
名前: ペルソナ

えぇ〜、連絡事項です。
テンさんの依頼によりスレッドを一つに纏めました。
のでこれは私の作品ではなくテンさんの作品だという事をお忘れなく。
テンさん、スレッドを一つに纏めましたので混乱を防ぐため、お手数お掛けしますがスレッドの消去をお願いします。





八束神社で久遠と遊んでいたなのはを恭也が迎えに行き、その帰り道。
二人は、薄暗い空より揺れ落ちるものに目を奪われた。

「雪か」

恭也は手でそれを受け止め、溶けて消えゆく様を見つめて呟く。
世界を埋め尽くそうと空より舞い落ちる淡い白。
灰色の雲から降る小さな白い結晶。薄暗い空からまだ汚れない白が舞い落ち、ゆっくりと消えゆくからこそ、それは幻想的に、そして美しく見えるのかもしれない。

「寒いはずだねぇ」

恭也の隣を歩くなのはは、僅かに身体を震わせたが、その儚さを持つ雪を見て嬉しそうに笑った。
それから彼女はなぜか恭也の目の前に出て、その歩みを止めさせる。

「よいしょっと」

そしてそんな声を上げ、恭也が着るロングコートを広げてその中に潜り混み、小さな身体を彼の横へとすっぽりと収めてしまった。
腕を恭也の腰に絡めてへばりつき、横顔だけがコートの正面から覗いている。正面から見ると変則的な二人羽織にも見えた。

「にゃあ、あったか〜い」
「……妹よ、何をしている?」
「おにーちゃんとぴったんこ〜」

答えになっていない答えを聞いて恭也は嘆息した。


「お前は炬燵の中で丸くなる猫か? それとも新手の子泣き爺か?」

子泣き爺、赤ん坊と間違えて抱き上げてしまうと、しがみついていきなり重くなるという妖怪である。
今のなのはの場合、横抱き版子泣き爺と言った所。恭也から抱いたわけではないが。
その恭也の表現に、なのははプクーと頬を膨らませた。

「なのはは猫さんじゃないし、泣いてもいないし、赤ん坊でもお爺ちゃんでもありません」
「当たり前だ」

なら言わないで、となのははさらに頬を膨らませる。だがすぐに二人の頭上から降る雪のように汚れのない真っ白な笑みを浮かべた。

「でもおにーちゃんとくっついていられるならそれもいいかも。重くなって離れな〜い。猫も気に入った人には擦り寄るんだよ〜」

さらに身を擦り寄せてくるなのはに恭也も苦笑した後、やんわりと彼女を引き剥がし、自らの目の前に立たせる。
それになのはは少しばかり寂しそうな表情を浮かべた。
だが恭也は左腕をコートの袖から抜き、今度は自分からなのはを抱き寄せ、腕を抜いたことでできたコートのスペースでなのはの小さな身体を包み込む。

「お、おにーちゃん!?」


その行動になのはは思わずと言った感じで驚きの声を上げるが、恭也は苦笑したままだ。

「あの状態じゃきついし、歩きづらいからな」

いくらなのはが小柄であって、大きさにゆとりのあるコートでも、二人で着るのはきつい。しかしこれならば、腕を抜いて緩んだことできつさはなくなりなのはが入ることもできるし、歩くこともできるだろう。

「いいの?」
「寒いんだろう? それにこれなら多少は雪を避けられる」
「うん!」

なのははコートの中で恭也の左腕を抱きしめ、今度は灰色の雲が隠しているため今は見えない太陽のような笑顔を浮かべて大きく頷いた。
しかしそれがすぐにとろけるような笑顔に変わる。

「にゃあ〜、やっぱりあったかいよ〜」

まるで猫が首もとを撫でられたかのように目を細め、なのはは身体以外の部分も含めてその暖かさを満喫していた。



「そうか、それは良かった。俺もそれなりに暖かい」
「それなりって」
「なのはの方が身体が小さいからな、触れる面積が少ない。だからせいぜい腕が暖かいぐらいだ」
「また腰に抱きつこうか?」
「また歩きづらくなるから止めてくれ。というかあんな姿を美由希やかーさんにでも見られたら切腹ものだ」

その言い様に、今度はなのはが苦笑する。
本当に見られたとしても、やはりなのはには甘い、で終わってしまいそうだが、師や長男としての威厳に関わるのかもしれない。
もっとも今の状態とて、威厳があるとは言えないだろうが。
恭也の腕を抱きながら、なのはは再び灰色の空から舞い落ちる雪を眺める。

「雪、綺麗だね」
「ああ」
「今日からもっと雪が好きになったかも」
「理由がわからん」
「わからなくてもいいよ〜」

そんな会話を交わし、二人は身体を寄せ合って再び家路を歩き出した。
雪は二人のために白い道を作り出すため、深々と降り続ける。





終わり

メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.12 )
日時: 2008/01/14 10:36
名前: ペルソナ

さて、私も投稿を。
ennaさんに触発されて私も真っ黒に!?
こちらの投稿させていただいている「悲しくも気高き守護者」の外伝ですので〜

尚、スレタイは『萌え殺せ』とか書いてますが別にそこは気にしなくてもいいです。




雪が降っていた。
 全てを覆いつくすように、全てを隠すように雪が降っていた。
 
 だが、それは常日頃見かけるような雪ではなかった。
 その雪は妖艶という言葉が浮かび上がるほどに…………紅かった。










 紅い雪が降りしきる。
 紅い雪が大地を覆いつくす。

 そんな紅い雪が降り積もる紅く染まった雪原の中には少年と複数の大人たち。

 聞こえるのは断末魔。

「たっ、助け……」
「いやだ、死にたくない!」

 上がるのは怨嗟の声ではなく悲痛な生きたいという願い。
 
 純粋にして単純な生物として、人としての願い。


 その声が大人たちから上がる。


 そんな願いが少年の耳に入るが……それでも少年は止まる事はない。
 無慈悲ともいえるほどの無表情で、その手に握る黒い小太刀を振るう。
 

 一太刀ごとに血飛沫が舞う。
 一太刀ごとに人が命の雫を流しながら崩れ落ちていく。


 舞い上がる血飛沫は舞い落ちる雪と交じり合う。
 純白であるはずの雪に命の雫が混ざり、紅い雪を降らせる。

 大地には零れ落ちていく紅い血が雪にしみこんでいく。
 

 なされるのは紅い雪原。
 純白であるはずの雪が、人の命を吸い紅く紅く彩られる。

 

 その光景はある種幻想的で、魅入られるものだ。

 
 幻想的な紅い雪原を作り出しているのが年端もいかない少年だというのなら尚更。

 




 


 だが、少年は紅い雪に見向きもしない。
 幻想的で綺麗かもしれない光景だが……少年にとっては地獄。
 
 
 死に瀕した者から漏れる呼吸音が耳にこびり付く。
 振るう小太刀から伝わる人の命を絶つ感触が残る。
 死に際の表情が脳裏に焼きつく。
 舞う血飛沫と共に広がる血の香りが鼻に付く。
 

  
 だからこそ紅い雪原に少年は魅入られない。
 

 血に酔えば苦しまないですむ、殺しに狂えばこの光景を楽しめる。
 だが少年はそれが出来ない。

 己の全てを捨ててでも護りたい家族が居るから狂えない。
 己の手でその命を絶った実の母の言葉あるから酔えない。

 正常なまま、復讐鬼にもならず、殺人快楽者にもならず……死を振りまく。


 少年は命を刈り取る側だが……その表情は殺した者達と同じく苦悶に満ちている。
 狂っていないために、酔っていないために、凶がっていない為に……


 そんな正常な思考を持っている少年は目の前の光景から眼を背けているべきだ。
 だが、少年は自らが作り出した紅い雪原を、そこに横たわる骸から眼を逸らさない。

 自らがした行為が決して正しくないと理解している為に眼を逸らしてはいけないと。
 己の罪を直視する。

 
 許されることではないと知っている。
 誤魔化しが利かない……いや、殺してしまった事を何かで誤魔化してはいけないと知っている。
 誰かのせいでもなく、誰かの為でもなく、己がそうでないと勝ち取れないと知っているからその方法を取っている。

 他の何を置いても、罪を犯してでも大切にしたいというエゴだから、



 だから自らの罪から眼を逸らさない。
 自らが犯してしまった、犯すほかなかった罪から眼を逸らさない。
 誰かのせいにしない為に、誰かの為にしない為に、











「氷狼、終わったか」
「赤龍か…………あぁ、終わった」

 見渡せば紅い雪原に多数の骸が埋まっている。
 事切れて長いのか……その骸からは血が流れる事はなく、これ以上紅い雪原は広がっていなかった。


「まだ、降っているんだな」
「今日はかなり振るって言ってたからな」

 雪は降りしきっている。
 先ほどまでと違って紅い雪ではなく、見慣れている純白の雪が。



「戻るか」
「あぁ、戻ろう」

 『帰る』ではなく、『戻る』。
 それが少年にとって最後の一線。
 今から向かう場所は、今所属しているそこは少年にとっての本来の居場所ではない。
 だからこそ、『帰る』ではなく、『戻る』。

 それを少年の相棒もよく理解していた。






 舞い落ちる。舞い落ちる。舞い落ちる。
 人の命を吸わなくなった雪は元の色のまま舞い降りてくる。

 純白の雪が紅い雪原の上にかぶさっていく。
 
 降り続ける純白の雪が紅い雪原を隠していく。

 まるで紅い雪原がなかった事のように、骸すらも覆い隠していく。

 


 だが、紅い雪原は確かに存在していた。
 紅い雪原が作られた事実は残っている。
 少年に嫌というほど実感させている。


 『戻り道』に差し掛かっている少年の服は……紅い雪を吸って少年の体と心を冷やし、重く重くのしかかっていた。

メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.13 )
日時: 2008/01/14 01:11
名前: 小判次

なんか流れがスレタイとちがうぞ……? 「萌え」はどこだ……!w
ここはひとつ、降ってきた電波でも置いていきます。何処までも自重しない。
さぁ好きなだけ叩け!


━━━━━━━━━━



皆さんこんばんは、高町なのはです。

いきなりですが、三連休をもらいました。
働きすぎだから、少し休めということらしいです。
よーし、せっかくだからヴィヴィオと思いっきり遊ぼう、とそう思った矢先のことでした。

「ママ、これなーに?」

ヴィヴィオが一つのプラスチックケースを持ってきました。
そこには、でかでかと輝く「懐怪獣・真珠」の文字。
そう、NINTEND○○ DSの売り上げを飛躍的に伸ばしたモンスタータイトルです。

あー、そういえばずっと忙しくて忘れてたけど、かなり前に地球に帰ったときに買ってきたまま積んでたんだ。

「これはね、ママの故郷のゲームソフトだよ」
「ママの……? やってみたい!」
「うーん……ヴィヴィオじゃ字が読めないとおもうよ?」
「やりたいやりたいやりたい〜!」
「むー……。あ、そうだ! ヴィヴィオ、ちょっと待っててね」
「……はーい」

ヴィヴィオはしぶしぶながらも、私の言葉に頷いてくれました。
そんなヴィヴィオの頭を軽くなで、本棚のほうに向かいます。
お目当ては「懐怪獣・金剛石/真珠」の攻略本。ソフトと一緒に買ってきた物です。
……あ、あったあった。



「ヴィヴィオ〜、ママと一緒にいいもの見よ?」
「なになに?」
「さっきのゲームに出てくる子たちが載ってる本だよ〜」
「え!? みるみる〜!」

それからしばらく、ヴィヴィオと一緒にやれあれが可愛いだのこれが好きだのとわいわい見ていました。
ヴィヴィオはミミ口ノレがお気に入りのようで、結局英語版を買ってくる約束をされられてしまいました。
(ミッドチルダ語に近いのでもしかしたらできるかもしれない、ということです)
そしてポケモン図鑑も最後のほうに差し掛かり……「それ」を見た瞬間、私の世界は止まりました。

(かっ……可愛い!)

真っ白の振袖を着たようなその姿、それを彩る深紅の帯、そして愁いを帯びた流し目。
さらには♀しか存在しないためか、美しいだけではなく丸みを帯びて愛らしくもあります。
ユキ〆ノコ。その懐怪獣に、心を奪われました。

「ママ、お顔こわいよ? どうしたの?」

はっ、いけないいけない。あわてて笑顔をつくり、この娘かわいいね、と笑って、彼女のデータを見る作業に戻りました。

前作までの数値と比較する限り、決して強い懐怪獣ではないようです。
でも決して絶望的な数値じゃない、この程度なら愛さえあればどうとでもなるね。

「マーマー」

覚える技もなかなか面白いし、氷・幽霊属性という珍しい属性も面白いね。
弱点こそ多いけど、運用次第で如何様にもカバーできるし。

「ママ……」

入手方法は……ユキワラツから進化か。ふむふむ。じゃあ、ユキワラツは……え?
地方図鑑完成まで入手できない……?

「ママってばぁ〜!」

ふふ……これは全力全開で彼女に会いにいけということなんだね……?
気が付いたら、私のゲーマー魂に火がついていました。

「ヴィヴィオ」
「ふひゃぃッ!」
「ママはちょっと用事が出来たから、一人でこれ見ててね?」
「ひゃい……(ママこわい……)」

ヴィヴィオが涙目になってるけど、何かあったのかな?
そんなことを思いながら、私は懐怪獣・真珠を手に取りました。



結局その後、連休中ひたすらずっとプレイし続けて19時間で殿堂入り。
初代は10時間を余裕できってたし、今回も特に難しいとは感じなかったので、これは腕が落ちてるかもしれませんね。
それは兎も角、図鑑には見るだけで入るので、20時間になるころには念願のユキ〆ノコと会うことが出来ました。
あぁ〜、鳴き声も可愛いぃ〜!

「ままぁ……」

ふと気が付くと、ヴィヴィオが私を見上げていました。その目は涙で潤んでいます。

「ママ、ヴィヴィオのこと嫌いになっちゃったの? 悪いことしたならあやまるから……ごめんなさい、ごめんなさいぃ……」
「ああ、違うの、ヴィヴィオは何も悪くないから……」
「ひ、ひっく……うわあぁぁん!」

結局連休の最後は、ひたすらヴィヴィオをなだめることになりました。

あと、フェイトちゃんにもすごく怒られて、とっても凹みました……。
フェイトちゃんの雰囲気が黒くて、とても怖かったです。



━━━━━━━━━━







ごめんなさいごめんなさい、いまさらポケモンにはまっててごめんなさい。
クリア時間は完全に妄想です。ちょっと普通のクリア時間がどれぐらいかは調べてみたけど。
ちなみに拙はレベルこそ低かったもののクリア時間はかなり遅かった模様ですw
「雪」で天候に順ずるもの(要するに情景における雪)を除外して考えた時、
ラブちゃの雪の次に(雪女って種族が連想される前に)出てきたのがユキメノコって頭沸いてやがる>自分
ちなみに(雪女の)その次は雪舟でした。(ぁ
でもメノコかわいいよメn(ry
……てかこのSS、何処が「雪」だ……?搦め手にすらなってない。マジで頭腐れt(ry

(本当にいろいろと)失礼しました。小判次でした。

追伸という名の投稿直後のセルフツッコミ:なぜ寝る前なのにこんなにテンションが高いのだろう……
メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.14 )
日時: 2008/01/14 02:14
名前: 紅姫

初めまして紅姫と申します!
よくここには顔を出すのですがここでの投稿はスレ書きやコメントは初めてになります。どうかよろしくお願いします!








真っ白な世界

今男がいる場所は真っ白な世界だった

いつも存在する色とりどりの世界はそこにはなく

ただその色だけに染まっていた









そこにはその色さえも侵食する色が存在していた



















男の体より留まることを知らないとばかりあふれ出すアカ

男はその原因となる少女に視線を向けていた

「な、の、は・・・・・いった、い何を?」

男、高町恭也は妹である高町なのはへ視線を向け搾り出すように声を掛けた

「・・・・・・・・」

なのはは口を開かず、アカに塗れたナイフの手に虚ろな瞳でそこに立っているだけだった。

「・・・・・お兄ちゃん」

一体どれだけの時間が経ったのだろうか

恭也の体は次第に温もりを失い始めた頃ようやくなのはは言葉を紡いだ

「雪はね、いつも私から何かを奪っていくの」

なのはは感情の無い言葉を紡ぎながら少しずつ倒れた恭也の元へと足を進めていく

「リインフォースさんのときも」

一歩

「私が撃墜されたときも」

また一歩と彼の元へと近づいていく

「雪が降るといつもそう、私から何かを奪っていく」

そうして恭也の元にたどり着き、恭也の上半身を自分の胸に抱きこむようした



「だからね、決めてたんだよ、次に雪が降った時は私の一番大事なものを奪われないようにしようって」

「な、の、は」

「忍さんにも!フェイトちゃんにも!はやてちゃんにも!アリサちゃんにも!すずかちゃんにも!お姉ちゃん達にも渡さない!お兄ちゃんは私のモノなんだから!」



ようやく姿を見せた感情を持ったそれは、言葉という名の狂気

その言葉と共になのはは恭也の心臓へとナイフを振り下ろした



















アカ




真っ白だった世界はその雨によって世界も人間をも染める

ただそこにあるモノは二つの壊れた人形だった









――――お兄ちゃん、私たちずっと一緒だよ――――

メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.16 )
日時: 2008/01/14 19:58
名前: ホークス

 夜、私ことギンガ・ナカジマは、少し強引に彼のアパートを訪ねた。



 彼というのは最近できた…… その…… こ、恋人のこと。

 異世界からきた彼とは色々と…… 本当に色々あったが、晴れて恋人同士になれた。

 本当に…… 最高に嬉しかった。

 世界がまるで自分を中心に回っているような感覚。

 空は清々しいほど青く、太陽の光はとても気持ちよく、風はくすぐったいほどよく流れていた。

 こんな幸せな日々が毎日続く…… そう思っていた。

 けれど…… それから1週間がたち、2週間がたち…… 次第に私の気持ちも落ち着き始めた頃、彼との間に溝を感じた。

 何か物足りないような、何かがズレているような不思議な感覚。

 それがなんなのかは分からない……

 彼のことは好きだし…… その、あ、あああ、ああ、あいしている、とも思う……恥ずかしくてとても口には出せないけど……

 だから、別れるなんて考えられない……けれど……何となく、このままではいけない気がしていた。





 今思えば、私は彼との絆が欲しかったのかもしれない。

 何でも良い、彼と私をつなぐ…… 確かな絆が……

 そんな時、朝のテレビ番組で面白いものを目にした。



 ――初雪を見た、最初のカップルは永遠に幸せになれる――



 そんな都市伝説に近い噂話が、今若い女の子たちの間で流行っているらしい。

 学生時代ならともかく、社会に飛び出した私がそんな話を信じてしまうのはどうかしていると思う。

 それなのに、今の私はそんな根も葉もない噂を本気で信じようとしている。

 私たちの関係に新たな変化が訪れることを期待して……






 ロマンチックとは程遠い夜。

 私は厚い雲に覆われた星一つ見えない寒空をずっと眺めている。

 初雪は未だに降る気配すらない。

 天気予報は必ず今日降るって言っていたのに…… うそつき、それから神様の意地悪。

 毎日サービス残業して働く私に、ちょっとくらいごほうびをくれてもいいのに……


「なぁ、ギンガ…… 風邪ひくぞ?」


 ベランダに佇(たたず)む私を心配して、彼の方から声をかけてくれた。

 白い湯気の立つコーヒーカップを私に差し出し、彼はそっと隣に寄り添う。


「ありがとう…… でも、大丈夫」


 コーヒーの香りをじっくりと味わいながら、私はカップを唇に近づける。

 一度口にすると、コーヒーの甘さが口全体に広がり、心も体も温かくなる。

 優しい彼は、私の好みに合わせて微妙な甘さを調節してくれていた。

 それがとても嬉しくて、更に惚れ直してしまいそう……





 コーヒーの香りに包まれながら、私の脳裏に懐かしい記憶が蘇る……

 それは初めて彼がコーヒーをご馳走してくれた時のこと。

 彼と同じものを飲みたくて、思わず私もブラックを頼んでしまった。

 もっとも、あまりにも苦くてすぐにバレてしまったけど……

 今となっては単なる笑い話。

 でもきっと、私、すごい顔をしていたんだろうな。





「…… 意外だな」

「何が?」


 彼はポツリとつぶやく。

 私はそれを聞き逃さなかった。


「いや、まさかギンガがこんな迷信を信じているとは思わなかった」

「あらっ、私だって女の子ですよ? ロマンチックなおまじないは信じちゃいます」


 ふふっ…… なんてね♪

 最初は全く信じていなかったんですけど、貴方がいけないんですよ?

 貴方がみんなに優しいから……





 そう、彼は私でなくても優しい……

 困っている人、弱い人なんか放っておける人ではない。

 それはもちろん、彼の魅力でもあり、私が彼を好きになった理由の一つでもある。

 だけど…… だけど、それなら私の存在って一体。

 一方通行な私の想いは…… 彼に伝わることはなく、ただ悶々とした日々を過ごすばかり……

 私と彼は元々、不釣合いなのだろうか?

 今ではそんなネガティブな考えが浮かびはじめていた。





「そうか…… だが、初雪を最初に見るためにこうして張り込むのは、いかにもお前らしいな」


 …… どういう意味だろ?


「『私』らしい…… ですか?」

「…… どうした?」


 彼にとって『私』とは一体なんなんだろう?

 その真意が知りたくて、私は秘めたる思いをぶつけてみた。


「貴方はきっと…… 私のこと、誤解してますよ。 私は貴方が思っているようなイイ女じゃありません」


 どうしても、彼の顔を見て話すことのできない私はごまかすように空を見つめた。


「ほんとは、自分でも分かっているんですよ、馬鹿なことをしてるって」


 チラリと横目で見ると、彼は黙って私の話を聞いていた。


「でも、不安なんです。 迷信でも何でもいいから頼っていないと、私と貴方との距離がどんどん離れていくような気がして……」

「そうか……」


 話を終えると、彼はいつもと同じく素っ気無く返事をする。

 ちがう…… 私はこんな言葉を聞きたいわけではない。

 積み重なった気持ちが溢れかえり、思わず私は自虐的な言葉を口にする。


「幻滅しました? ウザイ女だって思いましたか?」


 ああ…… 本当になんて嫌な女なんだろう……

 これなら…… 嫌われたって…… 仕方ないよね?


「そうだな……」

「――っ!?」


 彼の口から零れ落ちた言葉に私は絶望を覚える。

 やっぱり…… 彼は……

 心の中で何かが崩れ落ちていく――だが、彼はすぐに言葉をつむいだ。


「俺もウザイ男だ…… 時々、ギンガは俺のことよりも仕事の方が大切なんじゃないかと思って…… 気が気でならない」


 驚いた。

 本当に驚いた。

 まさか、彼も私と同じような気持ちでいたなんて……


「だから、俺も降って欲しいな。 ギンガが、俺から離れないように……」


 結局、私たちはお互いにお互い大事に思い過ぎていたのかもしれない。

 大事に思う挙句、私たちは臆病になりお互い一歩ずつ下がってしまった。

 これがやがて溝になり、中途半端な恋愛関係にもつれ込んだ……

 ふふっ、本当に馬鹿みたいな話。

 でも、私は嬉しさと恥ずかしさのあまり涙を浮かべて微笑んでいた。

 心はまるで春の日差しのように温かく、こそばゆい。

 隣を向くと、彼もまた私を見た。

 今、彼の瞳には私しか映っていない。

 きっと、私の瞳にも彼しか映っていないのだろう。

 それが何よりも一番の幸せ。


「あっ」


 突如、彼は空に向かって指を指した。

 私は急いで指の先を追う。



 すると、漆黒の空の中。



 白く、小さく、美しい雪のかけらが……



 羽のようにふらり、ふらり……



 こちらに向かって降ってきた。



 見間違いではない。



 たった一つだけ……



 私たちの下に降ってくる。



 私は、慌てずに胸の前で左右の手を開く。



 『ひとかけらの雪』は、当たり前のように私の手に落ちて……





 …… 音もなく、消えた。





「「…………」」


 彼と私はその手の中の雪が降った跡を覗き込む。

 水滴にもなれなかった雪は何も残していない。

 ひんやりとした感触すら残さず…… まるで、全てが夢と幻でできていたかのようだった。



 けれど、私は忘れない。



 想像していたものとは大きく違ってしまったけど、きっとこれも神様が与えてくれたちょっぴり意地悪な奇跡……



 私の心に溶けこんだ『ひとかけらの雪』は、もう永遠に消えることはない……



 二人の愛に終わりがないように……





「初雪…… 確かに降ったな」

「ええ……」


 彼は幸せそうに私の手のひらをしみじみと見つめる。

 私も一緒に…… 見つめる……

 そして、二人で盛大に笑いあった。


「しかし、困りました……」

「ん、どうした?」


 突然、困った顔をする私。

 吹っ切れた私はワザとらしく時計を確認し、彼にもう一つ別の絆をねだる。


「…… 今日はもう、家に帰れなくなりました…… どうしましょう♪」


 そのときの耳まで真っ赤になった彼が…… とても、可愛らしかった。
メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.17 )
日時: 2008/01/16 12:38
名前: シンフォン

「お母さん、お母さん。雪だよ、雪っ!」
「ユーフィ、もうちょっと大人しくしないとダメ」
「ぅ〜、……お父さん、お父さん。お外で遊びたい!」
「う〜ん……」

身を乗り出して訴えてくる愛娘のユーフィ――ユーフォリアの様子に、お父さんである悠人は眉間に小さな皺を寄せつつ微笑を浮かべた。
年の頃は4、5歳。母親ゆずりの青い髪をした愛らしい少女は、くりくりとした大きな瞳いっぱいに好奇心と期待を満たしていた。
前日から振り続けていた雪は止み、青い空が途切れ途切れに広がる雲の間から顔を見せている。
初めて見る雪、何度も話しに聞いていた雪遊び。
「雪が止むまで、外に出るの禁止」という母――アセリアの言葉に素直に従っていたユーフォリアだが、
我慢が限界に達しているのは見てとれた。
悠人とアセリア、そして部屋の外の雪景色を世話しなく交互に見つめている。
今、彼女の頭の中では何をしようと決めているのだろうか。
雪兎、雪だるま、それとも雪合戦だろうか?
目は口ほどに物を言うというが、陽光に照らされた雪に負けない程ユーフォリアの瞳は輝いていた。

「アセリア」
「ふぅ……。分かった、上着だしてくる」

そう呟いて席を立ったアセリアが視界から消えると、

「雪ーっ!」

と、ユーフォリアが外に向かって飛び出していった。
止める暇もなかった。
声を掛ける間もなかった。
勢いよく開け広げられた外との仕切りから、冷気が吹き込んでくる。
それにも構わずユーフォリアは裸足のまま一気に外に飛び出し、雪に足をとられて顔から地面にダイブした。
少女の手の中からスポンと放り出された杖――永遠神剣第三位『悠久』、通称ゆーくん――が、
くるくると太陽の光を反射させつつ地面に突き刺さる。

「――ぷはぁっ。冷たいっ! 寒いーっ!」

もぞもぞと雪に埋まった体を起こしたユーフォリアは、放り出した神剣をそのままに家の中に飛び込んでくる。
あっと言う間に悠人の前を通り過ぎていったユーフォリアは、お母さーん、とアセリアの入った部屋に駆け込んだ。
相変わらずの鉄砲玉っぷりに、悠人は苦笑を浮かべた。
自分やアセリアが無鉄砲な事は自覚しているが、娘のユーフォリアはそれに輪をかけているようだ。
二人分の無鉄砲さが移ってしまったのだろうか。
遺伝の不思議をしみじみと感じている悠人の元に、再びユーフォリアの元気な声が聞こえた。
カポカポと不思議な音が聞こえるのは、買ったばかりの長靴を履いているからだろう。

「お父さん、お父さんっ! 見てみて!」
「? あぁ、どうしたんだそれ?」
「……ん。前にトキミが作ってくれた」
「あったかいよーっ」

そう言ってにこにこ笑うユーフォリアは、青い半纏を着ていた。
ふわふわもこもこ。たっぷりと綿をつかったそれは、傍からみても温かそうである。
妖精のような外見の少女には少し野暮ったい衣装ではあるが、少なくとも悠人から見たユーフォリアの愛らしさは少しも損なわれていなかった。

「お父さん。ユーフィ、可愛い? 可愛い?」
「勿論だ。ユーフィは、世界で一番可愛いお父さんの自慢の娘だからな」
「お母さん、お母さんっ。お父さんが可愛いって!」
「ん……そうだな」

言葉は少ないが穏やかな笑みをアセリアは浮かべた。
半纏の上からユーフォリアにコートを着せ、毛糸の帽子を被らせる。
最後に手袋をつけたユーフォリアは、残りの家族にして友達に声を掛けようとして、

「あれ? ああああああああっ、お父さん、お母さんっ! ゆーくんがいないよ!?」
「あー。ゆーくんなら、ほらあそこ。さっきユーフィが転んだ拍子に放り出したままだ」

そう悠人が示すと、ユーフォリアは全速力で外に飛び出してしまった。

「何と言うか……ほんと、俺たちの娘だよな」
「ん、そっくり。でも、大丈夫。時間が経てば自然と……少しは落ち着く。わたし達がそれを証明してる」
「それは……また、気の長い話だな」
「ん」

顔を見合わせ微笑み合う。


――確かな幸せがここにある。


「おとーさん、遊ぼっ。わたし、カマクラ作りたい!」
「いきなりハードルでかいな、おい」

初めての雪遊びがそれかよ、と苦笑しつつも悠人は玄関から自分の長靴を持って外にでる。
見れば、ユーフォリアは『悠久』を使って雪をかき集めていた。
悠人もアセリアもこれまで多くの神剣と神剣使いに出会ったが、神剣を“シャベル”代わりに使う光景など初めて見る。
ある意味規格外な娘の行動に悠人は吹き出した。
アセリアもくすくすと小さく笑っている。

「お父さん、お母さん、どうしたの?」
「いや、何でもない。そうだな、どうせなら大きなカマクラをつくろうか。な、ユーフィ」
「うん!」
「わたしはお風呂沸かしておく。二人とも、ちゃんと後で入る」
「はーい。お父さん、背中流してあげるね」


――大切な人達の笑顔がある。


それは、永遠を生きる三人の人生の中では、ほんの一瞬の出来事に過ぎない。
それは、戦い続ける日々の中の小さな日常の記憶。
その時感じた雪の冷たさも、その時作ったカマクラの大きさも、これからも増えていく多くの出来事や事件の記憶に塗りつぶされてしまうだろう。

だけど、

冬を越え、春が来て、雪がとけたとしても……

楽しかったと、自分達は幸せなのだと――その想いは、雪の様に消えたりはしない。


何気ない日常。ありふれた毎日の中の小さな出来事。


それでも……




――この日々があるからこそ、これからも戦っていける。







・後書き
ゲーム「永遠のアセリア」のアセリアEDの一コマとして、書いてみました。
正直、「アセリア」をプレイしてなければ、悠人とアセリアってどんな姿? 永遠神剣って何? 、な文で申し訳ない(苦笑)
作中の「トキミ」とは、悠人達の所属する組織の先輩と思ってください。
彼女については、どうか原作をプレイしてみると言う事で。

もしくは……いつか、〇〇さんの「とらはるかな」で登場するでしょう。40話ぐらい後に(笑)(と、本人に未承諾で煽るような事をしたり)。
うひひ。

作中の左端に空白をひとつ作ってないのは仕様です。
メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.18 )
日時: 2008/01/17 01:41
名前: 綾音


−雪の降る日−

「なぁ……」

「ハァ……」

「そろそろやめんか?」

「ハァ……」

 そこはどことも知れない場所。

 囲炉裏をはさんで二人の美女が向かい合っている。

 その姿は実に対照的で、一人は肩をやや越す程の黒髪を無造作にくくり、乱暴に腕の部分を裂いた半そで状の着物。
 特徴的なのは、そのおでこの部分に、一筋の刀による物と思しき傷がついている事だった。

 もう一人は、腰ほどまでの銀髪をストレートにしており、着ている物は純白の着物。

「ハァ……」

「さすがにため息ばかり聞かされると、辛い物があるんだが……」

「だって……」

「そんなに気になるのならば……」

「駄目。私が居なかったら、あなた何するか分からないじゃない」

 まさに電光石火の返答。

「ふむ…… 意外と信用が」

「焼肉食べ放題の広告を見たあなたの……」

 じわりと滲み出すどす黒い雰囲気に、冷や汗を出す黒髪の女性。

「食べに行きたいって、結界破りかけたわよね」

「そ、それは……」

 結界の内部とは言え、湖に落ちてきた物であれば、ここで見る事が可能であった。

「約束したよね…… こうやって意識は活性化してていいから、大人しくしてるって」

「あ、あぁ」

 いつのまにか、黒髪の少女からは犬のような耳が出ていたが、それが怯えを表す様にぺたりと伏せられていた。

「また、『愛さんの手料理』、食べたい?」

「嫌だ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!! あれは食べ物じゃない料理じゃない人の作る物じゃないなんでオレが腹痛で動けなくなるあれは食べ物だぞ人の作った物だぞ毒程度ならおれはどうともないんだぞそもそもなんで見た目も香りもいいのになんでアレほど不味いんだいったいどうやってつくってるんだただタレを焼いて肉につけて食べただけだぞ〜〜〜〜〜!!」

 ぜぇぜぇと荒い息をしつつ、一息で喋りきると、怯えを隠すかの如く手元にあったお茶を飲む。

 そう、余りにも駄々をこねる黒髪の女性に対して、銀髪の女性が取った最終手段。

 それは、海鳴の人外魔境と称されるさざなみ寮でもナンバー1の料理ベタである、槙原愛に存分に腕を振るってもらった焼肉のタレを準備して貰ったのである。

 思惑通りと言うべきか、想像以上というべきか、それ以来、黒髪の少女にとって最大のトラウマになっていたりする。

「ハァ……」

 そんな彼女を尻目に、銀髪の少女はまたため息を吐くと、静かにお茶を飲む。

「な、なぁ…… ここは一つ手を打たないか?」

「今度はなんですか?」

「オレは分身を作るから、お前はそれを連れて行けばいい。オレはそれを常時見ているさ。
言われなくても、自分が人と比べて強すぎる事ぐらい分かっている。
ちゃんと分身の力はセーブするし、どうにもならない時以外は喧嘩もしない。
な、頼む。 どうしても、外を体験してみたいんだ」

 少しだけ寂しそうな目をする黒髪の女性。
 それは、力を持つゆえの悲しみだった。
 誰かを好きになっても、自分を置いて消えて行く。
 寂しさから逃げたくて一人になった。
 だが、人間は違った。
 どれだけ山奥に篭もっても、『化け物狩り』と称して殺そうとした。
 もちろん返り討ちにしたが、繰り返し繰り返し人間はやってきた。
 ついに怒って人里を襲った。
 村を襲えば、自分を恐れて二度と襲ってこなくなると考えたから。
 山から近い村を適当に襲う事数回。
『骸』と呼ばれる人間が立ち塞がった。
 思い出すだけでゾクゾクとする程の死闘だった。
 自分でもわからないが、こうして封印され、暗い湖の底で眠っている今でも骸の事は憎くなかった。
 そして、一度目覚めようとして出来なかった時に、再度封じた人間達。
 彼らも何故か憎くない。むしろ喜びさえ感じた。
 それを、彼らに伝えてみたかった。
 外がどういう風に変わったのか見てみたかった。
 黒髪の女性が感じていた物とは……つまる所、寂しさだったのかもしれない。

「……ふぅ。 ……わかりました」

 ため息を一つ吐くと、銀髪の女性がおもむろに立ち上がった。
 そう、彼女自身寂しかった。
 わずか数日間とはいえ、愛し、契りを交わした男性が居た。
 楽しい生活があった。
 そして、『偶然』子供を身篭った。
 なによりも、真一郎に会いたかった。

「約束、ですよ?」

「あぁ、約束だ。
 漆黒の野獣ざからが、わが名と命にかけて骸の傍に立ちし雪女に誓う」


 それから暫くして、地上に出た二人を出迎えた物は、あの日を彷彿とさせるように、深々と降る粉雪と……




「おかえり、雪さん。 今年初めて雪が降ったんだ。 何となく来るかなって思ってね」





〜おわり〜


はい、とらハ2箱の『雪』さんSSでした
読んでくれた皆様サンクス。
メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.19 )
日時: 2008/01/17 15:37
名前: 裏壱


  「雪と心」

散歩の途中で知り合いを見つけた、ベンチに座ってぼーとしている、ちょっとしたいたずら心で雪だまを後ろから投げつける。

「何のようだアルフ」

いくら軽く投げたとはいえ避け、更にこちらを向かず誰が投げたか当てるとはおかしくないかい。

「?どうした、っな!」

恭也は驚いてベンチから立ち上がった

「くらいな!」

私は雪だまを再度投げつけた



「はー、はー、い、一発も当たらないなんて可笑しくないかい?最後の方は魔力で身体能力を強化したのにさ」
「ふむ、スピードは有ったが投げ方が雑だ。あれでは投げるタイミングが丸分かりだ」

私はなぜか負けた気分になった

「あんた本当に人間かい?」
「む、失敬な」
「まあ、一応そうして置こうか。ところでこんなとこで何やってんだい?」
「一応じゃなく俺は人間だ。雪を見ていたんだ、アルフはどうしたんだ?」
「あたしは散歩!何か雪が降っていると体がウズウズして、恭也は雪が好きかい?」
「好きだな(辛い事も悲しい事も全部隠してくれる気がして)アルフは雪は、好きだな!」
「何で断言するんだい!!まあ好きだよ、何か暖かくて」
「(犬だからと言うのは黙っとくか)暖かい?」
「うん、フェイトやなのは達と雪合戦したりカマクラ作ったり。そうゆうこと考えると何か暖かいんだよ」

辛い事も悲しい事も全部雪で隠していた、そうすると静寂だけが残り辛くなっかた。でもどこか寒かった。でも、いつの間にか家族が増え、友達ができ、『思い出』が雪のように積った。いつのまにか『寒さ』は無くなっていた。

「なるほど。確かに『暖かい』な」
「だろ」

雪は俺に『寒さ』と『静寂』をあたえる。でもいつの間にか『寒さ』も『静寂』も無くなり、別の『何か』が積った。その『何か』がようやく分かった気がする。

「アルフ、ありがとう」
「?どうしたんだい急に」
「いや、なんとなくだ」
「ふ〜ん、まあいいけど。そろそろ帰ろ、フェイトが待ってる」
「アルフはフェイトのことが大好きだな」
「勿論だよ!なんったて私のご主人様だからね!!」

アルフの答ががあまりに純粋で笑ってしまった

「む!バカにしてるのかい?」
「いや、羨ましいだよ」

そうやって自分の感情を素直に言葉にできるのが

「〜〜〜っ!!」
「?どうした」
「そんな表情反則だよ!!」

恭也は頭の上に?をとばしている、みんなが鈍感だと言ってる理由が分かった気がした。まったく、そんなやさしい笑顔を見せるんじゃないよ。
メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.20 )
日時: 2008/01/17 16:15
名前: uppers

雪を見ると思い出す。五月に降った雪を。そして、一度だけ契りを交わしたあの少女を。

あの五月の雪が降ってから何年たったのか、数えるのさえもどかしい。あのとき俺はなにもできなかった。
あの事件が起きるまで、御剣と弓華の闘い、さくらとの出会いから起こった事件。
普通では考えられないことが俺の周りで起きて、当時はもう止めていた明新館の空手を始めた。それでも実践空手を学んだの俺ではだめだった。太刀打ちすらできずに俺は皆に守られてきた。

大妖・ざから。
それが八年前の五月に封印が解け、俺たちと相対した異形ともとれるその名。
俺たちは誰一人臆することなく戦い、封印することができた。
けれども、あの戦いで俺たちは一人の少女を犠牲した上での勝利であることを誰もが忘れている。そう、俺以外の人間は。







   真一郎の独白








当時、あの事件の後にあの湖に行こうと唯子や小鳥、御剣、弓華、お姉ちゃん、さくら、七瀬に声を掛けた。
しかし、俺が思っていたことを全部否定された

全員があの日のことを覚えていなかった。いや、全員さざなみでパーティーしていたことは覚えていた。なのに、あの少女と事件のことを何一つ覚えていなかった。
五月に雪が降ったこともただの異常気象であることとしか受け止められていない。俺たちがざからと戦ったことすらも覚えていなかった。いや、なかったことになっていた。
俺は授業の合間にすぐにさざなみ寮に走った。

息が切れる。
けど、そんなの気にしてられない。
今はとにかく耕介さんか神咲先輩に話を聞いてみないといけない。
今はただ走った。肺が潰れても構わない。今はただあの儚く白い少女を、強くて弱くて脆いあの雪が似合う『雪』という少女の存在がいたことを確認をしたかった。

さざなみに続く坂を止まらずに上り、膝に手をついてほんの少しだけ息を整えてチャイムを押す。ピンポーンという音が聞こえて、二階から誰かが下りてくる音が聞こえてドアを開けられた。
出たのは、管理人の槙原耕介さん。あのとき、一緒に戦った仲間だった。
すぐに俺は耕介さんに五月に降った雪のこと、大妖・ざからと戦ったこと、そして一人の少女が犠牲に勝利をしたことを聞いた。

結果は・・・・・・同じだった。
雪は降ったことを覚えていても、ざからと戦ったことと『雪』という少女のことはなに一つ覚えていなかった。
俺はすぐに立ち上がり、耕介さんにお礼を言うと玄関から飛び出し、あの湖に向かった。

あのときとは違い、今の季節は夏。雪なんて降るわけがない。
なのに、少しずつ目的地に近づくだけで気温が冷えていくのを感じる。
俺はあのときと同じ道を通り、走った。あのときはざからと戦いながら進んでいたのだから、進む速度は遅かった。今はなにも障害物はない。一つ同じことをあげるとしたら湖の一角にあるとこだけがなにかを示したように雪が舞っていた。

その光景はとても幻想で、思わず見惚れてしまった。雪など降るわけはないと分かっている。なのに、雪は五月のときと同じように雪が舞っていた。
俺はゆっくりと近づき、その一角を目指した。
その一角とは氷那神社。ざからを封じ込めたご神体があり、雪の使い魔みたいな氷那がここにいる。今これをどかせばざからも復活するかもしれないが、雪も来てくれると思った。が、その行為は雪を穢すものとして思いとどまった。
そして、帰ろうとしたところで湖のそばであるものを見つけた。

あるものとは白いベレー帽。

そう、あのベレー帽。雪がかぶっていたあのベレー帽だった。
すぐに拾い上げて、思わず抱きしめた。帽子が潰れるだとか気にしなかった。ただ、雪という少女がいたという証拠にただ、ただ涙を流した。
そこからはよく覚えていない。
気づいたら家の前にいた。ただ、その手には白いベレー帽だけが握られていた。


それから大学に進学したもの無気力で過ごしていた。
唯子や小鳥になにかといわれたけれども、なにも耳には入ってこなかった。
けど、変化は突然訪れた。
社会人になり、久しぶりに雪が降った冬の寒い日に帰ると家の玄関の前に小さな赤ん坊が置かれていた。その赤ん坊はちいさな手をしていて、とても白く雪のような赤ん坊だった。すぐに俺はこの子どもは雪の子どもだと直感した。
雪はきっと戻ってくる。そう信じて俺は仕事の傍ら、子育てをした。
名前は『みぞれ』。
初めて見たときに霙みたいと思ったからそう付けた。他のみんなには驚かれたけど、すぐにみんな受け入れてくれた。特にお姉ちゃんと唯子と小鳥の可愛がりが半端じゃなかった。


そして、娘のみぞれも三歳になり、今はこうして一緒に散歩している。
それで今日はあの湖に向かっていた。
おとーさん、どこいくの?と可愛らしい声で聞いてくる。
それに対して、優しい声でお母さんのとこ。とだけ答えた。
みぞれはおかーさん?おかーさんってなに?って初めて聞くように尋ねてきた。
俺は内緒とだけ答えて、みぞれを抱き上げた。
俺の腕の中できゃっきゃっと嬉しそうな声を出していた。

そう。
俺はなぜだか確信に似たものが自分の中にあるのを感じた。
今、行けば雪はあの湖にいると。
ほどなくして湖のほとりにつき、みぞれを下ろし、湖を見つめた。
すぐに湖の向こう側から白い装束に身を纏い、周りに雪を降らせながら白い雪のような女性が歩いてきた。
そこで俺はこう口に出した。

「おかえり、雪さん。」

ただ、その言葉を伝えたくて、俺は待ち続けたんだ。


    〜おわり〜

なんかキャラが違うような・・・・・・。
ほぼセリフなし。
最後まで読んでくださった皆さんありがとうございます。
メンテ
拙作『プラス OTHERS』でやってみました〜w ( No.21 )
日時: 2008/01/17 22:13
名前: FLANKER

「雪と言えば……」
「雪見酒だ」

 などと椀を持ち上げて軽く乾杯する恭也と蒼牙。

「……お兄ちゃん、蒼牙さん、何してるの?」
「む、なのはか。おかえり」
「おかえりだ、なのはちゃん。ぬ、フェイトとはやてちゃんも一緒か」
「兄さん、帰ってきてたんですか?」
「ああ。久しく休みが取れた」

 帰ってきてみれば雪が降ってきていて、これ幸いと行きしに日本酒を買ってきた蒼牙である。

「恭也、チビチビやりすぎだ」
「酒はあまり飲めんのだ」
「つまらんな。月村さんはあれだけ飲めるというのに」

 忍と飲み比べをしたことがある蒼牙。結果はもちろん……忍の勝ちである。

「にしても、よく降るな」
「こけなかったか、なのは?」
「こけません!」
「こけそうになったけどな♪」
「はやてちゃん、言っちゃダメーーーー!」

 すでに遅し。
 美由希のように何もない所でコケはしないなのはであるが、雪が降って滑りやすくなっているのならコケる可能性は高い。
 運動オンチだし。

「兄さんも恭也さんも寒くないんですか?」
「酒を飲めば意外と大丈夫だぞ? 飲んでみるか、フェイト?」
「蒼牙。フェイトはまだ10歳だぞ?」
「少しくらいならいいではないか。昔は俺も父上に飲ませて頂いたものだ」

 と言って、少しだけ酒を注いだ(ちなみに日本酒はストレートでやるのが蒼牙のこだわりである)椀をフェイトに渡す。
 フェイトはせいぜい正月に甘酒を飲んだことがある程度なので、やはり兄がこうも美味そうに飲んでいると、興味が湧くものである。

「――っ、けほっ、けほっ! の、喉が熱い!」
「はっはっは、いい飲みっぷりだ、フェイト」

 しかしジュースを飲むかのようにクイッといったもので、さすがにフェイトには喉にくる熱さには耐えられないようだ。

「何でこんなものが美味しいんですか……こほっ」

 なのはも舌を出してちょっと顔を顰めている。
 甘酒は本当に甘いが、恭也と蒼牙が飲んでいるのは普通の日本酒だし、人によっては辛いと感じる。
 おそらく彼女もそのように感じたのだろう。

「もう一杯〜!」

 なんて言ってるのははやてである。

「もうあと10年経ってからな」
「ぶ〜、蒼牙さんのいけず〜」
「調子に乗りすぎだ、はやて」
「恭也さんのケチ〜」

 ぶ〜ぶ〜言っているはやてをよそに、蒼牙が本当に美味そうに飲み干す。
 恭也はあまり飲みたくないのか、茶をすするだけだが。

「ふう……美味かった」

 盛ってきた一升瓶を全て飲み干した恭也と蒼牙(ほとんど蒼牙だが)に、なのはたちは夕方とは言え、食事前にそれだけ飲む兄たちに呆れる。

「にしても、コタツに潜ってないで外に出ないのか、なのは?」
「だってもう暗くなってるし」
「子供は風の子だろう」
「私だってコタツが恋しい時もあるんです」
「現代っ子だな」
「う〜む。昔の俺たちなら暗くなっても外で暴れていたがな。これが所謂かるちゃーしょっくなるものか」
「無理に英語を使おうとするな、蒼牙」
「やかましいわ」

 なのはに英語レッスンを受けている蒼牙だが、なかなか英語は上達しない。
 これはもう、本気で生まれつき呪文詠唱ができないという要素が深刻ということなのかもしれない。

「蒼牙さん、それを理由にして真面目にやってない」
「そんなことはないぞ、なのはちゃん」
「兄さん、妹の友達の前で恥ずかしい姿を見せないでください」
「少しは兄を庇え、フェイト」
「蒼牙さん、形無しやな」
「トドメを刺すな、はやてちゃん」
「嘆かわしいぞ、蒼牙」
「ええ〜い、どいつもこいつも黙れ!」

 少しアルコールが回っているからか、ノリ良く返す蒼牙。はやてはやっぱ関西人やね〜と楽しそうだが。

「そう言えばさっき昔のことを口にしてはったけど、恭也さんと蒼牙さんは小さい頃のこの時期って何してはったん?」
「はやてたちくらいのときか……そうだな、俺は――」





 ケース1:恭也の場合

 御神家を襲った爆破テロ以前と言えば、いつも士郎に連れ回されていた時期である。

「……とーさん、ここどこだ?」
「北アルプス」
「…………」

 気絶する前は暖かい沖縄だったのに、起きたら北アルプスだったことがあった。
 なんでいきなり北アルプス、それも真冬に雪山に登山なんてしたのか?

「明後日は正月だからな。せっかくなら初日の出を拝みてえだろ?」
「いきなりすぎるぞ」
「ギャーギャーうるせえぞ。ガキなら『わ〜い、初日の出だ〜』って喜べ」
「猛吹雪の中、まるで遭難したが如く避難所に籠っているのに、喜べるか!」
「おお、元気じゃねえか。よし、外に出るぞ! 雪合戦だ! 負けねえぞ、恭也!」
「子供か! というか、この猛吹雪の中、雪合戦なんかしてる場合か! 食料を考えろ!」
「どうにかなる! よし、GO!」
「GOじゃな――うおっ!?」

 士郎が扉を開け放った瞬間、雪が待ちわびたように飛び込んでくる。外は1メートル先すら見えない。

「こんなトコで雪合戦する親子なんて俺たちくらいだろうな……」
「よっしゃ〜、行くぜ、恭也!」
「あ〜、こうなったらヤケだ! 行くぞ、この――ってうわっ!?」
「はっはっは! 甘い! そこは落とし穴を掘っておいたーーーー!」
「どこまでアンタは子供なんだああああああああ!」

 そのまま急勾配の雪山を転がっていってしまった恭也は、雪だるまとなって死にかけた。





「……雪と言えば、それが一番の思い出か」
「「「…………」」」

 何で生きてるんですか、と聞きたいのはなのはたち3人だけだろうか。
 いや、死なれたら困るし、死んでたら今目の前にいるのは幽霊になるし、でも恭也ならそれでもありえそうだし……いやいや。

「なのはちゃんのお父さんって、一歩間違えたら人殺しやん」
「……お父さん、後でお説教だよ……」
「兄さんは雪と言えばどんな思い出がありますか?」
「……思い出か」

 思い出などロクに残っていない蒼牙。でもフェイトたちはそれを知らない。
 恭也が顔を苦々しげに歪めるが、蒼牙は構うなとアイコンタクトをし、本当に少しだけ残っている記憶を掘り起こす。





 ケース2:蒼牙の場合

「今日の鍛錬を始めるぞ、蒼牙。ふむ、雪か。これを飲め」
「はい、父上……ぬ、これは酒ですか、父上?」
「うむ。体は火照ってきたか?」
「いえ、まだ何とも」
「う〜む。お前は子供だと言うのに、酒に強いな。ではもう一杯」
「はい」

 5杯くらい飲んだ後、蒼牙は高牙に連れて行かれた。



 琵琶湖に。



「今日は寒中水泳だ」
「か、かなり厳しい鍛錬ですね、父上」
「恭也くんは雪山で鍛錬しているらしいぞ?」
「……父上、対岸まで行って引き返して参ります」
「その意気だ。酒も適度に飲んだからな。では行け、我が息子よ!」
「承知しました! 行って参ります!」

 ドッボ〜ンと飛び込んでいく蒼牙であった。





「なるほど、寒中水泳か。それは冬にやる鍛錬手段として合理的だ」
(((違う! 絶対違う! 合理的じゃないから!)))
「うむ。酒を飲んでいたから何でもできる気がしてな。見事往復してやった」
(((何でもできるって……それは完全に酔っ払いの思考です!)))

 もう兄の人外ぶりがそんな小さい頃からだったのだなと、理解したくないことを理解したなのはたちである。

「恭也、どうせだ。明日の朝、海に行くか」
「よし、行くか――」
「「「ダメです! 絶対ダメです! 死ぬからやめて!」」」
「「俺たちはそんなにヤワではないぞ」」





「「「もうちょっとヤワであってくださーーーーい!!」」」

 それは、妹(はやては違うが)としての、切実な願いだったりする。
メンテ
Re: 第2回万魔殿企画『みんなで参加だ! 御題のままに萌え殺せ♪ ( No.22 )
日時: 2008/01/17 23:59
名前: 綾音

ご参加下さった皆様ありがとうございました
これをもちまして、第2回大会を終了させていただきます!!

感想投稿は引き続き20日まで募集しますので、投稿された方もご参加ください♪
メンテ

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