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黒衣(仮投稿)
日時: 2008/05/15 06:31
名前: テン

浩さんに許可を頂きましたので、暫くの間黒衣を仮投稿という形でこちらに投稿させて頂きたいと思います。

あくまで仮であり、落ち着いたらいつかは今までどうりに投稿したいとは思っていますので。
これも携帯からの投稿なので、少々見づらいかもしれませんがよろしくお願いします。
一章を分割して送っていきます。


目次

>>1-27 恭也編 四十二章

>>54-91 恭也編 四十三章

>>122-156 恭也編 四十四章

>>197-227 恭也編 四十五章

>>228-255 恭也編 四十六章

>>256-268 恭也編 四十七章

>>269-288 恭也編 四十八章

>>289-317 恭也編 四十九章

>>318-330 恭也編 五十章

>>331-340 恭也編 五十一章

>>351-367 恭也編 五十二章

>>368-382 恭也編 五十三章

>>383-394 恭也編 五十四章

>>414-433 恭也編 五十五章

>>434-457 恭也編 五十六章

>>458 恭也編 五十七章

>>459-480 恭也編 五十八章

>>481-503 恭也編 五十九章

>>504-532 恭也編 六十章
>>565-587 恭也編 六十一章

>>28-53 大河編 三十章

>>92-121 大河編 三十一章

>>157-196 大河編 三十二章

>>395-413 大河編 三十三章

>>341-350 外伝
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Re: 黒衣(仮投稿) ( No.544 )
日時: 2010/10/18 23:21
名前: テン


そもそも普通の石でも、普通の人間では握力だけで砕くのは脆いものでもなければ不可能に近い。

「まあ、神速はこんなこともできる。早い話、速くなっているわけではなく、筋力が増強……正確には筋肉が生み出す力が増大してるんだ」
「なんで……そんなことが」
「矛盾の解消と危機の回避」

この原理は至って単純であり、また単純であるからこそ、副次的なもの。そしてまたゾーンでは真似できない。

「人間の脳というのはうまくできていてな。人間は、身体と感覚の相互間においては基本的に矛盾を許容しない。そして脳は危険に敏感なんだ」
「矛盾と危険に敏感、ってどいうことだ?」
「例えば、そうだな。お前は足を怪我をした。大怪我ではないものの歩くと少し痛い。激痛ではないが気になる。その状態で別に自己ベストを更新しなくてもいいが、それでも真面目にやれという条件で短距離走を行うことになれば、本来のタイムよりも僅かなりとも落ちるだろう。別にタイムの更新をしなくてもいいのなら、そこまで気張る必要はないしな」
「まあ、当然だよな」
「しかし、もしお前が怪我をしたことに気付いていなかったら?」
「それたまにあるな。気付いたら痛くなるってやつだ。気付いてない状態で、真面目にやれっていうなら、全力で走るだろうし、自己ベストには近くなる?」
「早い話がそれだ」

肋や腕などが折れているというのに、試合中に気付かなかったというのが、格闘技などの試合でもたまにある。

「本人が気付いていないのに痛みを発するのは、それは矛盾だ。無論、本来人間は痛覚があるから、痛みに気付かないという状況はまれだ。だが、状況に応じては、矛盾の解消のために、脳は痛みを感じさせない」

それが本来怪我をしていても、他のことに集中し、怪我をしていることに気付かないなどの状況や、もしくはそもそも本人が怪我に気付いていない状況では、痛みがある方がおかしい、と脳は判断する。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.545 )
日時: 2010/10/18 23:22
名前: テン


「神速も同じようなものだ。時間感覚が引き延ばされ、さらには思考速度まで増大している状況だ。お前は周りだけでなく、自分までスローモーションで動いているのに、思考と感覚は普通よりも速い状態。
普通に考えれば盛大矛盾が生じている状況だし、危険も伴っている」
「そうか?」
「当然だろう。自分はもっと速く動いている、と感覚も思考も訴えているのに、神速を使っている人物の現実では普通の状態以下で動いている。矛盾だらけだ」
「あ、そっか。ふーむ、矛盾はわかったけど、危険か?」
「危険だ。お前は普通よりもゆっくりと文字を書きながら、これから書いていく文字を頭に十も浮かべ続けられるか? しかも書くためにかかる時間が長いから、時間が経つごとに頭に浮かべる文字が増えていく」
「……できねぇ。つかできるわけねぇ。つまりそういう状況になるってことか?」
「ああ。下手をすると脳が壊れて廃人だ」
「うげ」

大河は思わず下を出して呻く。
はっきり言ってしまえば、これに対する対抗策すら、御神の一族たちに伝わる遺伝、もしくは進化と言えるかもしれない。
境地に立つには、時として寿命や命を代償とする。
だが、御神の剣士たちは、対抗策を自然と身につけ、境地に立ち続けているのだ。

「神速は、その矛盾を解消し、そして危険を回避するために、肉体にかけられているリミッターを解く。このために自分だけはスローの中で、速く動けるようになり、感覚速度、思考速度に多少なりとも近付くことができる」
「リミッターってあれだろ、火事場の馬鹿力」
「そうだ。神速とは、意図的に思考速度と時間感覚を引き延ばし、それに付随するように肉体のリミッターを解く技法だ」
「人間業じゃねぇ」

大河のぼやきに、恭也は僅かに苦笑しながらまったくだと頷く。
こうして口で説明してみると、自分たちがどれだけ人間離れしているかわかるというものだ。

「ゾーンではこれらは不可能だろう。肉体のリミッターというのは自分の意思では普通『完全には』解けない。神速が異常なんだ」

完全でない状態ならば、自らの意思で解く方法もある、がゾーンの間はまず無理だ。
神速とて自らの脳を守るために、身体の負担を犠牲にして解かれるのだ。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.546 )
日時: 2010/10/18 23:24
名前: テン


ゾーンは、見えるもの全てが遅くなり、身体が軽くなったようになり、自分だけがそれこそ普段よりも速くなったように感じるというが、これは身体のリミッターが解けたわけではなく、恐らく周りが遅く見えるようになり、自然と次にする行動に対する身体の動きが整合化され、自分が速くなったように勘違いしているだけだ。

「でも、身体のリミッター外したからって、そんな簡単にあんな速く動いたり、石を砕いたりできんのか?」
「一般の成人女性でも、肉体のリミッターが解ければ、小指だけで10キロを超える物を持ち上げられるらしい」
「……そりゃ一般の成人女性の数倍以上のお前ならできるわな」

一般成人女性が10キロというのなら、恭也4、50キロ近く、とはならない。下手すれば、筋肉の密度などにより、さらに数倍、などということにもなりかねないのだ。
そりゃあんな動きもできるし、怪力にもなるだろう。
とはいえ、先ほども言ったように肉体のリミッターを解くというのは福次効果で、あくまで神速の脅威は、思考速度などの高速化で、相手の動きを完全に見切ることである。

「とまあ、それらが神速という。正確には歩法ではない」

歩法というよりも、やはり境地の先の境地と言うべきだ。
自分の意思で、ゾーンに似た現象を起こし、また福次効果ながら自分の意思で身体のリミッターを解く。
異常の中で異常あり、特異中の特異。
それは最早技ですらないかもしれない。

「そりゃあ俺には真似できないわ」

できたとしても、脳が焼き切れ、身体が砕けかねない。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.547 )
日時: 2010/10/18 23:25
名前: テン


その下地さえ大河にはないのだ。

「で、なんで俺にそれを話したんだ? 正直お前のことだから隠すと思ってたんけど。なんの保険だ?」
「……なのはだ」

まあ、言っても構わないだろうと、恭也は僅かに疲れたような息を吐いて言った。

「なのは? あいつがどうしたんだよ?」
「あいつが神速を覚えてしまった。正規の方法ではないから、正確には疑似になるのだろうがな」
「はい? ……っていや、あいつが! 遺伝するっていうなら使えてもおかしくないけど、あいつには何も教えてないんじゃなかったのか!?」
「教えてはいないが、神速について似たような説明をしたことがあってな。自前の集中力ではなく、魔法の後押しで使えるようになってしまった」
「おいおい。マジかよ。聞いた限りじゃそんな簡単に使えるようなもんじゃないと思うが?」
「御神流の才能はなさそうだが、神速の適正と才能は恐らく俺どころか、もう一人の妹や叔母を越えている」

恭也よりも遅いが、美由希よりも確実に早く神速を修得してしまったなのは。それは御神の剣士としての才能とは関係ないが、怖ろしい才能と言えるだろう。

「とはいえ、あいつの身体は神速に適応していない。一回使うごとに気絶するような自爆技だ」
「男としては、自爆は少し憧れる」
「憧れるな」

同じ男であるが、恭也にはわからない憧れだった。
そのために短く嘆息するが、すぐに本題を語る。

「まあ、そんなわけで、あいつに注意してくれると助かる。馬鹿みたいに使うことはないだろうが」
「まあ、わかった」

確かに技の原理がわかっていれば、助けやすいだろうと大河は大きく頷いた。
将来美女、美少女になるであろうなのはを助けるのはむしろ喜ばしい。まあ、間違いなく自分になびくことはないとわかっているが。

「助かる」
「いいさ、仲間を助けるのは当然だ」

恭也の礼に、大河は肩をすくめ、笑顔で答えたのだった。


なのはは今後、間違いなく疑似神速を将来使うことになるだろう。
それは大河の前でさえ。
だが、それを止めることも、その後のダメージで倒れても、それに大河は手を伸ばし、助けることはできない。
それをこのとき二人はまだ知らなかった。



メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.548 )
日時: 2010/12/17 18:04
名前: テン



基本壊れ、メタ的な話です。その上会話主体。
最初にごめんなさい。ごめんなさい。 ごめんなさい。
遊びすぎました。調子ののりすぎました。



外伝 主人公? ヒロイン?



ここはフローリア学園の教室の一つ。
そこには、この学園でも有名な五人の人物たちがいた。

「じゃ、今日も救世主科同盟の会議を行うわ」

救世主科主席であるリリィ・シアフィールド。とっくに実技は恭也に抜かされてね? とは言わないで上げてほしい。主席は彼女のステータスであり、属性なのです。それを認めることはできないのです。

「もう六回目ですか」

救世主クラスで、恭也と同じく黒髪娘の当真未亜。髪や原作と違って黒くなくね? とは言わないであげてほしい。黒くなくなった分、出番も減ってしまってるのです。もうガリガリ減ってるのです。

「まとまったことは多いですけど」

やはり救世主クラスであり、もっとも幼い高町なのは。最近黒い上に武闘派になりすぎじゃね? と言わないでけあげてほしい。武闘派と呼ばれてでも、兄の傍にいたいのです。どっかの世界と同じように、十八を越えて魔法少女と呼ばれたり、兄と絡みがない方が嫌なのです。

「一応、決まりは皆さん守っていますから」

救世主クラス一の冷静さを持ち、外見はなのはレベルのリコ・リス。最近、恭也と二人きりになりすぎじゃね? と言わないで上げてほしい。ただ話が終わらないだけなのです。誰かのせいで、原作と違い、基本的に不幸属性を持っているのです。少しぐらい良い目を見てもいいではないですか。

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Re: 黒衣(仮投稿) ( No.549 )
日時: 2010/12/17 18:06
名前: テン


「今日は何を決めるのかな? それとも前回みたいにただの雑談?」

唯一救世主クラスに所属しない仁村知佳。最近影薄くね? と言わないで上げてほしい。むしろ義兄の方が出番がないのに、義兄が出てくると良いところを奪われているだけなのです。たまには出番ぐらいほしいのです。

以上、五名である。

「……なんか、酷く機嫌が悪くなってきたんだけど」
「なぜでしょう? 凄く悪口を聞いたような気がします」

教室はそれなりの広さがあるのに、五人しかいないため、固まっていた。
その中で、リリィは黒板の前に立つと、そこにチョークで文字を書いていく。
それはこれまでに決まったことを書き出しているのだ。

――一、抜け駆け可。ただし、正々堂々と誘う。もしくは誘われること。偶然を装うのは厳禁。

何を対象とした話なのかはわからないが、抜け駆けを禁止にしないのは潔い。

――二、嫉妬で攻撃は不可。キョー↑にであれ、一緒にいる相手にであれ、最低の行為である。

ちょっと反省とか、言っている人物が何人かいた。
というか、キョー↑とはなんだ。

――三、協定一、二に付随し、誘い、誘われたいならば自分を磨け。嫉妬する暇があるならば、もっと自分を磨いて振り向かせること。

何とも潔く、また男前な決まりである。

――四、普通科同盟は敵である。

ここにきて敵が出現。
むしろ救世主科にしろ、普通科にしろ、一体何の同盟なのか。
そもそも救世主候補どころか、学生ですらない知佳までいるのが不思議である。

「それで今日はどうします?」

板書された言葉を見て、なぜか頷いていた未亜だったが、知佳と同じ質問を繰り返した。

「あいつの動向を話し合うのが一番いいかしらね」

何かをやり遂げたような爽やかな笑みを浮かべ、席へと戻ったリリィは、とくに目的がないことを告げる。

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Re: 黒衣(仮投稿) ( No.550 )
日時: 2010/12/17 18:07
名前: テン


リコと知佳は、まあいつものことかと頷いた。
つまり決まりも、その場の勢いで決まるということだろう。

「ん? あれ、なのはちゃん、どうしたの?」

知佳は、隣りに座るなのはが、深く何かを考えているかのように目を瞑っている。そのなのはに知佳は視線を向けた。
するとなのはは、どこか重々しく目を開けた。

「凄く気になることがありまして」
「気になること、ですか……?」

唐突な、そして同時に雰囲気と同じく重々しいなのはの言葉に、リコは唾を飲み込みながらも問い返す。
『彼』の妹であるなのはの言葉は、いつも重要なことが多い。それを皆理解していて、沈黙を作ることで、なのはに先を促した。
それに押され、やはりなのはは重々しく口を開く。

「……この話のヒロインは誰なんでしょうか? 考えてみれば、私たちの他では、クレアちゃんも微妙にヒロイン候補のようですし、大河編に至っては、間違いなく彼女はヒロインの一人。普通科の人たちも危ないですし。
なのは編なんて、それこそ片手の指では足りないほどにヒロインが溢れてきてますよ? クレアちゃんなんか、その役目は私に頂戴な、とんでもないことをするし。わからない人にはわからないネタで申し訳ないですけど」

そして、いつかの日、要注意人物のことを話していたときのように、話がメタな方向に行ってしまった……。
また壊れへと一直線か。
しかし、なのはの言葉は劇的な効果を上げる。

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Re: 黒衣(仮投稿) ( No.551 )
日時: 2010/12/17 18:07
名前: テン


「そ、それは……」

ヒロインは私よ、とは言えないリリィ。

「こ、これからの話次第かと」

リコもどこか喉に何かが詰まったかのように言葉を紡ぐ。
見えない未来の話となると、壊れきれないらしい。
しかし、さらに壊れ、メタへと向かう言葉が飛び出ていく。

「美少女ゲーム(エロゲー)の主人公のように着実とフラグを立ててる恭也さんだから、誰にでも可能性が」

そんなゲームを知っているのかと、そして括弧内が本音かと言葉をかけたくなるが、オドオドとした様子である未亜に突っ込める者は誰もいない。しかし内心皆同じ気持ちなのだろう。
というか、『彼』の名前を出してしまった。

「それはつまり、このままいくとハーレムエンドということ可能性が一番? それはちょっと嫌かな」

知佳が眉を寄せ、結末を予想。
しかし女としては、それはあまり好ましくない。
するとなのはが、くわっと目を見開く。

「私はハーレムエンドを否定しません!」
「なんですって!?」
「私の場合は、その方が可能性がありそうなので!」
「うっ」

確かに実の妹(?)のなのはは、ハーレムエンドでなし崩しの方が可能性がありそうだと、皆が声を詰まらせる。
しかし、そこにリコが首を振り、否定。

「待ってください。すでに恭也さんのヒロインがなのはさんの話はいくつもあります。色々な意味で壊れてるのが多いですが。しかし、純愛とてありますよ」

それに知佳とリリィ、未亜も続く。

「子供もいるね」
「関係ない話だけど、最近だと異世界のなのは、他の作品の主人公やら、オリジナルのキャラやら色んな人とくっついてるわね。そっちの方がいいんじゃない?」
「それ以前に本当なら、恭也さん似の男の子と付き合ってるはずなんだけど」

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.552 )
日時: 2010/12/17 18:08
名前: テン


しかし、なのははやはり目を見開いたまま……

「リコさんと知佳さんのお話はわかります! 当然関係ありませんが! でもリリィさんと未亜さんは訂正してください!
リリィさん、考えても見てください! 戦闘能力が高いから、優しいから、頼りになるから、格好良いからと言っても、意味もなく、何となくで人を好きになったりはしません! 少しは好きになったとしても、結婚まで考えたりはしないでしょう! というかそんな人がもてると勘違いしている人は、恋愛経験がない証拠です! 芸能人に憧れるのと同じですよ。
目の前におにーちゃんと、そこらの銀髪やら金髪やらで、オッドアイで、最強で、優しくて、頼りになって、ちょっとクールだったり、もしくは少しお笑いだったり、わざとらしい人間味を出していて、女顔で、絶世の美形であり、なんかいつのまにか少し上か同い年の兄になっていて、御神流の才能はおにーちゃんやおねーちゃん以上です、閃? そんなの簡単だよで、チートな能力と言いつつおにーちゃんとか他の主人公とかの技やら魔法やら能力やら御神流やら……さらには性格をパクっただけで身体以外何ら自分の物を持たないどころか、顔まで同じというただの紛い物というかなんで元の人を使わないの? で、才能便りで努力の影も見えず、とりあえずおにーちゃんを作りすぎシスコンにし、さらには原作ではほとんど怒ったことがないおにーちゃんを怒りやすい正確にして叩き伏せてヒロインもらっていきますして、あなたたちがしてることは間違っているとアンチしているけど実はやってることはむしろ言った本人の方がテロリスト理論で、最早格好いいというよりも、子供の頃にいじめてられなかった? お父さんとお母さんは何を考えていたの? できれば呼びたくないんだけど、な漢字や読みの名前というむしろ逆に個性も人間味みないと言った方がいい男の人を並べて見てください! その二人に甘い言葉を言われて嬉しいのはどっちですか!? 無論前者でしょう!?」
「結婚まで考えてるの? それと前提条件前半のちょっとだけだけど、一般論なら後者が嬉しいと思うわよ? まあ、確かに長く保ちそうにないでしょうけど。普通は完璧な人間なんて付き合いきれないし。あ、私の場合は恭也一筋だから、後者はグーパンでお帰り願うわよ。あと後半の一部は、なのはにも当てはまってるから。
それ以前に、恭也も微妙に最強で、微妙に優しくて、異様なほど頼りになって、微妙に美形なカテゴリーなんだけど。
それよりも私たち以外の人たちに、今の会話に他意はないと、謝りなさい。すみませんでした」
「読んでくださってる方々、ごめんなさい!
未亜さん! むしろおにーちゃん似の人を好きになったというのが重要なんです。それはつまり、おにーちゃんのことが大好きという証拠なのです!
まあ、別世界では全くそういう関係ではなくなってますし。というか、警察のような自衛隊のような組織の偉い人が、世界はこんなはずじゃなかったことばっかりだって言うのはどうなんでしょう? いえ、確かにその通りですけし、名言のような気もしないでもないですが、警察組織が言っていい言葉ではないかと。どんな事件の被害者も、大抵みんなそう思うでしょうし。曲解かもしれませんが、理不尽を許容してる言葉にも思えるんですが。むしろこんなはずじゃなかったことの一部を防がなければならない人間が言いますか。犯人確保以外興味ないんですね」
「私……恭也さんにほぼ一目惚れに近いんだけど。何となくに入るの? それは恭也さんが嫌な人だったら、嫌いになっただろうけど。
それにその理論はどうなんだろう? 黒い男の子が可哀相な気が。
あとなのはちゃん、その毒舌わざとなの?」

……本当に話がメタすぎる。
収拾がつかないほどに。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.553 )
日時: 2010/12/17 18:09
名前: テン


「って、違います。私が言いたいのは、まあ、メインはわかりませんが、私たちがヒロインであるとして、主人公であるおにーちゃんと、私たちヒロインとの関係はどうなんだろうと」
「主人公との関係?」
「そうです。大河さんは副主人公」
「主人公に副はどうなんだろう」
「知佳さん、今は突っ込みは不要です。大河さんのヒロインは、ベリオさんたちなので、まあ、置いておきましょう」
「はあ」
「主人公とヒロインの関係とはどうあるべきなのでしょうか。言い換えれば、誰かヒロインとして、主人公であるおにーちゃんを立たせているか。主人公であるおにーちゃんが、ヒロインである私たちの誰を立たせているか。そうでなければ、私たちにヒロインの資格はないのではないでしょうか?」

なのはの妙な説明に、全員が首を捻る。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.554 )
日時: 2010/12/17 18:10
名前: テン


意味は何となくわかるが、しかしと知佳は口を開いた。

「でも、男の人が主人公と固定しても、主人公の定義、ヒロインの定義は時代で変わるよ。昔は強くて何でもできる男性が主人公で、守れるのがヒロイン。少し前が共に戦う主人公とヒロイン。最近だとヘタレとか、一点特化とか、一つの異能だけな主人公と、主人公なんて飾りだよみたいな強いヒロインが多いかな。私たちだって似たようなものだし」
「そうですね。私たちの場合は、主人公は昔の風のおにーちゃんで、ヒロインは最近風の私たちです。ある意味変わっています。
では、主人公に大切なことはなんでしょうか?」

なぜかなのはは一つを息を吐き、質問をする。
それに未亜が答えた。

「うーんと、話を引っ張っていって、それなりに目立って、中心人物、とかかな。最近は奇をてらったような主人公も多いけど」

指折り数えるが、一応恭也はその通りに行動しているはずだ。
そのためなのはは、大きく頷く。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.555 )
日時: 2010/12/17 18:10
名前: テン


「そうです。ただそれだけではありません。何より重要なことがあります」
「重要なこと?」

リリィは、今まで以上に重々しく言葉を紡ぐなのはを見て、軽く息を飲み込みなが問う。

「……主人公補正です。ジャ○プ補正や漫画、アニメ補正ではありませんよ」
「なんですかそれは」

即座に突っ込むリコ。
今日のなのはは、メタの固まりであり、それにつられて皆もメタに突き進んでいた。

「重要なことなんですよ。主人公補正とは、主人公であるからつくのではありません! 主人公がヒロインのために頑張るからこそつくのです! そうでない補正など主人公補正ではなく、ただの最強補正です!」
「うっ!」

確かに! と、なぜか納得してしまう勢いが、今のなのはにはあった。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.556 )
日時: 2010/12/17 18:11
名前: テン


その後ぼそっと、脇役のためでもつくかもしれませんがとなのはは呟くが、それを掻き消すように、さらに言い募る。

「どっかの学校の屋上で、疑心暗鬼になった『はうー』なヒロインを正気に戻すため、主人公である口先の魔術師さんがそのヒロイン相手に、バットと鉈であなたたちは本当にただの中学生なの? という戦いを繰り広げたのも主人公補正です。
どこかのロリコン魔導探偵は、ロリ魔導書と共に彼女を信じながらも常に行動していたからこそ、もしくは彼女がいなくなっても、それでも本に戻った彼女と共に戦おうと頑張り続けたからこそ、主人公補正で宇宙の中心に辿りつくほど強くなっていったのです。
○の主なのに、相手が主席とはいえ息切れして簡単に勝てないってどうなの? ○の主は光線弾いてたよ? なんていう描写的には微妙な戦闘力のハーレム思考の主人公なのに、最後はハーレム要員の黒髪妹、主席のツンデレ娘、僧侶娘、○の精、忍者娘、ゾンビ娘たちの生きる世界を守るために、強大な力を得て、別次元へと旅だったのも主人公補正です。
眼帯の下にチートな金色の目を持つ主人公も、そのチート能力を唯一最大限に発揮できたのは、幼なじみを亡くし、それでも他の友というか、ヒロインと明日のために、主人公補正がついた最終戦のみです」
「三つ目は待ちなさい」

とりあえず、それは触れてはいけない部分とリリィも突っ込んでおいた。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.557 )
日時: 2010/12/17 18:11
名前: テン


「で、でも恭也さんだって、その主人公補正を発揮して」

未亜はリリィの突っ込みを無視しつつも言うが、なのはは残念そうに首を横に振った。

「いつ、おにーちゃんに主人公補正がつきましたか? そして、私たちの誰かが、おにーちゃんに主人公補正を発揮させましたか?」
「え? あれ?」
「ほ、ほら、恭也君、救世主候補に勝ってるよ?」
「敵にも周りにも、救世主候補と同等の人は何人もいます。珍しくはあっても、皆無ではないでしょう。おねーちゃんたちでも、耕介さんたちでも可能です。主人公以外に可能なことを主人公補正というでしょうか?」
「デ、デザイア事件のときは?」
「そうですね。取り込まれた人は、もう戻れないというデザイアの戒めを地力で解いたのは、もしかしたら主人公補正かもしれません。その後血だらけの上、私たちの誰がその補正を引き出したのかわかりませんが」
「う。じゃ、じゃあ、ほらエリカちゃんを相手に楽々と戦ってたって言うのは」
「私は思い出したくないんですけど、救世主候補に勝つのと同じことですし、相性の問題もある上、最終的には……」
「やっぱり血だらけ」
「メタな話だけど……というのも今更だけど、た、大河編で大河とカエデを二人同時相手にして相打ちに……精神的優位だった上に、やっぱり血だらけだったわね」
「なのは編も同じくですね」

あれー、と皆が首を傾げる。
そういえば、恭也はまだ主人公補正を発揮してない? もしくはヒロインズは、誰一人として、主人公補正を恭也に発揮させてあげることができなかった?
というか、血だらけになりすぎのような気がする。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.558 )
日時: 2010/12/17 18:12
名前: テン


「むしろ泥臭い、というべきでしょうか」

リコの言うとおり、誉め言葉ではないが、それは恭也らしい。

「元の世界でも同じなんですよ。おにーちゃんが、主人公としてヒロインを立たせて目立たせてますけど、自分は影に隠れるというか、あくまで語り部というか、視点というか。
むしろおにーちゃんに主人公補正がつくと、毎回血だらけか、能力が激減です。少なくとも周囲では最強クラスの一人なんですが、主人公補正がつくとヒロインを立てるために、能力が最低まで落ちます。逆補正がかかるんですよね。おにーちゃんより強いということは、生身では私たちの世界で、最強クラスという意味なはずなのですが。薫さんでも試合では同等ですし」

どこか遠い目をするなのは。
なぜ彼女は、恭也に起こった事件を知っているのだろうか? 話し方からして、結果まで理解しているようである。
しかし、それを突っ込む者はいない。
この話はメタでできていると、誰もが認めていた。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.559 )
日時: 2010/12/17 18:12
名前: テン


「……それは主人公補正って言うのかな?」

そうですねと、知佳に頷いて返すと、なのはは例外があると続ける。

「ですが、おにーちゃんに主人公補正を発揮させたヒロインが一人います。元の世界の話ですが」
「誰?」
「フィアッセ・クリステラという、私にとってもお姉さんのような人なのですが、唯一、しかもヒロイン降格にはなりましたが、アニメ番と合わせると二度もおにーちゃんに主人公補正を発揮させた猛者です」
「何か凄く聞こえるわ」
「おにーちゃんが風芽丘に入学して、それなりに時間が経った頃に家にきたんですけど、別世界だとそのとき、私がお父さんの怪我を理由に責め立てて、追い返しちゃったらしいです。そんなことしたらおにーちゃんに嫌われる気がしてならないというか、むしろ二度と口を聞いてくれないか、長い間確執が残りそうなレベルなので、私はそんなことはしませんでしたが。まあ、恨みなんてありませから当然ですし、おにーちゃんも別人レベルなので特に興味はありません」
「そ、そうなんですか」
「正直あそこまで精神的に大人だったり、未来で魔法で誰かを守ると言いながら、自分の父親のことだと怒るとは、自分が父親かフィアッセさんのどちらかの立場にでもなったらどうするんだろう、と私自身は嘆息してまいましたよ? なんか戦ってる未来ではどちらの可能性もありえるわけですから。まあ子供ですし、確かに父親が大怪我したんだから、怒るのも無理はないです……と言いたいですけど、あれは子供なんでしょうか? 人のこと言えませんが、それでも異様に精神年齢が高すぎます。
私たちと同じ時にフィアッセさんが来たなら、魔法を覚える二年か、三年ぐらい前のはずなのに、僅か二年後ぐらいに何で誰かを守るとか言えるんでしょうか? とりあえず真面目に守って、自分が傷付こうと誰も恨まないし、私たちにも守った人を恨まないでほしいと考えてるであろうおにーちゃんに謝ってほしいです。
これで未来はおにーちゃんに似てるとかちゃんちゃらおかしいですよ。どの口で頭冷やそうか、とか言ってるんでしょう。むしろあなたが冷やすべきです。おにーちゃんみたいに口で諭したり、少し頬を叩くのと、別次元の私のように無闇に大量に、死を覚悟しそうな攻撃をするのとでは意味が180度違うと思います。むしろ余計に自信を喪失させかねないので教官のすることではありません。別人です、別人。中の人的意味で私とも別人です。おにーちゃんを舐めてます」
「うん、とりあえずなのはちゃんも頭冷やして色んな人に謝っておこうね?」
「ごめんなさい」

今日のなのは、異様にはっちゃけるわね、とリリィは冷や汗を流しながら小声で呟くが、他の皆も小さく頷いていた。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.560 )
日時: 2010/12/17 18:13
名前: テン


いつもなら自分たちも完全に乗るところだが、今日のなのはは行きすぎていて、どうも乗り切れない。
まあ、今もいつもも、恭也に見られたら自殺ものだが。

「話を戻しましょう、なのはさん」
「はい、つまりフィアッセさんが私の最強の敵……違いました。フィアッセさんを私たちも見習うべきです。考えてみれば、おにーちゃんの周りで、私とおかーさんエンド以外唯一守られる系ヒロインでしたし」
「そうか、そうということだね!?」
「知佳さんが乗った!?」

思わず未亜が身を仰け反らせた。
今のメタの固まりであるなのはに乗るとは恐るべしである。
いやいやしかし、何がそうだというのか。

「考えみれば簡単なことなんだよ」
「何がです?」
「私、『今の』なのはちゃん、リコちゃん、未亜ちゃん、リリィちゃん、他のみんなも共通点があるの」
「共通点?」
「あ……」

未亜は唐突に知佳の言いたいことを理解してしまった。

「せ、戦闘能力、ですか?」
「そう。私の能力は基本防御の面が強いけど、まあ戦えないこともないかな」
「でもそれが?」
「元の世界でも同じ。基本的に恭也君の周り、みんな戦闘能力があるか、超常の能力があったりしたんだけど。考えてみると、戦うことができないのって、昔のなのはちゃんと桃子さん、フィアッセさんだけだよ」

そう、そうである。
元々戦闘能力などない桃子と、この世界に来るまでなかったなのは。フィアッセは超能力を使えたが、その力は知佳やリスティたちに遠く及ばない上、今でこそ改善したが、当時は使えば命を削るような代物だった。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.561 )
日時: 2010/12/17 18:14
名前: テン


美由希は恭也の弟子だし、晶とレンもその歳に見合わないほど強かった。忍は夜の一族としての力を使えば、そこら人間では相手にならない上、ノエルがいた。那美は退魔師であり、その戦いの場は、当時ではむしろ恭也の方が門外漢であったのだ。

「つまりおにーちゃんは、強い昔風の主人公だけど、昔風のヒロインで、さらに危険があったのは周囲でフィアッセさんだけなんです。他の人たち、自分で戦えますから、おにーちゃんの主人公補正を欲していたのは……フィアッセさんだけです」
『な、なるほど!』

目から鱗とでも言いたげに声合わせる皆だが、それはつまり乗ったことに気付いていない。

「か弱いヒロイン。それこそおにーちゃんに相応しいのでは? 事実、そのことをおにーちゃんが気にしてるっぽい描写がありましたし」
「そういえば救うことができないとかあったわね」
「メタですが」

リコが今更な話を告げるが、最早誰も気にしない。
メタな話は嫌われるのだが、やはりなのはは知ったことではないと続けた。

「というわけで、この中で私が一番か弱いと思います!」
「そこに持っていくんだ!?」

つまり自分こそヒロインに相応しいと。
しかし彼女には、そして彼女らは召喚器を持ち、または超能力を持っている。肉体的な面ではか弱いとは決して言えない。

「召喚器を呼ばなければ、私が一番か弱いです!」
「ぐっ!」

召喚器を持っていないが、超能力がある知佳。そもそも赤の書を召喚器と誤魔化しているリコは、それがなくとも最高位の召喚士。威力などは下がるが、召喚器がなくとも、魔法を扱え、高レベルの格闘術があるリリィ。
お世辞にもか弱いとは言えない三人が息を詰まらせた。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.562 )
日時: 2010/12/17 18:14
名前: テン


しかしその中で、未亜がスッと手を挙げる。

「私も召喚器ないと、ただの女子高生なんだけど」
「……私と未亜さんの年齢を鑑みて、どちらがか弱いと言えるでしょうか?」
「うっ」

確かに外見的にも、両者はか弱いという印象を受ける。線が細いとでも言えばいいのか。さらに召喚器がなければ、見た目通りの少女だろう。しかし、その年齢差は埋めることはできない。
未亜もまだ大人とは言い難いが、なのはと並べば、どちらを庇護したくなるか。少なくとも半々とはなるまい。
つまり私こそおにーちゃんのヒロインに相応しい、と胸を張るなのは。
それを見て、それぞれ笑顔を浮かべ始める他の者たち。
しかし笑顔ではあっても、その両目は笑っていない。

「やっぱり最後は、こういうオチになっちゃうのかしら?」

それぞれ立ち上がり、またも武器を構えようとしていた。
やっぱり世の中力こそが全てだよ、とでも言いたげな雰囲気は、やはりお世辞にもヒロインとは言い難い雰囲気があった。

メンテ
Re: 黒衣(仮投稿) ( No.563 )
日時: 2010/12/17 18:15
名前: テン


さあ、目の前の全員をうち倒して、自分がヒロインに。と武器を掲げようとしたとき……教室の扉がノックされる。

「っ!?」
「このノックの仕方は!?」
「全員着席!」

その瞬間、リリィの号令を聞き入れ、皆椅子に座り直す。
そして、ノックの主に『全員』がどうぞー、という朗らか声で返答した。
扉の向こうから現れたのは、彼女らが予想した通り、高町恭也である。彼女らはただのノックの仕方で判別しやがったのだ。

「女性が集まって話をしている時に邪魔をするのは、無粋とは思うが、すまんな」
「いえいえ」

全員ニコニコ笑いながら構わないと告げる。
先ほどまでとはえらい違いである。今はちゃんと目も笑っていた。

「なのは」
「にゃ?」

なのは用があるのか、恭也が話かけると。わずかに舌打ちする数名。奇跡的に恭也には聞こえていない。

「おにーちゃーん!」

呼ばれたなのはは、突如椅子から離れ、駆け足で恭也の正面に抱きつく。

メンテ

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